イノベーション企業を開発ツールで支える「縁の下の力持ち」

写真拡大

バグ追跡やスケジュール管理といったコラボレーションツールを開発する「アトラシアン」は一見地味な存在かもしれない。

だが、その顧客リストはじつに華やかだ。テスラモーターズ、エアビーアンドビーにスポティファイ─。今をときめくスタートアップ以外では、NASA(米航空宇宙局)やブラックロックなどの企業も名を連ねる。まさに、”縁の下の力持ち”である。

マイク・キャノン=ブルックス(37)、スコット・ファークァー(37)が2002年に創業した同社は、2015年にIPO(新規株式公開)を果たし、月額10ドルで製品を利用する個人客から法人まで、同社が抱える顧客は現在8万5000以上。年間売上高は6億ドルに迫っている。昨年の利益は440万ドルに達し、時価総額は80億ドルに上る。

驚くことに、同社には営業の社員がいない。製品はすべてインターネット上で販売しているのだ。共同創業者のスコット・ファークァー(37)は、その理由をこう話す。

「製品を高額で販売しないなら、数を売る必要がある。そのためには、グローバルに売らなくては。だからこそネット上で売るのが筋だ」

目標は次世代の起業家にとって不可欠なサービスになること。1月にはタスク管理ツール「トレロ」を買収するなど、長期的視点で経営している。

キャノン=ブルックスは、「10年後も僕らはまだ47歳。10年単位で世界について考えているよ」と語っている。