災害犬救助犬は、なぜ靴を履かないのか?

2004年8月20日、広島土砂災害が発災しました。この時、認定NPO法人 日本レスキュー協会からたくさんの災害救助犬が出動し、様々なメディアから

『“災害救助犬にも足を保護するブーツを履かせてほしい”との声が上がった』
『多くのコメントや質問を頂きました』

ということが、2014年12月26日に投稿された日本レスキュー協会のブログに書かれていました。災害の現場でレスキュー隊員の一員として活動する災害救助犬の姿を見て、私も「なぜ素足なのか」「なぜ靴を履かせてあげないのか」と考えたことがあります。

災害救助犬が靴を履かない理由について、日本レスキュー協会の見解を皆さんにもご紹介したいと思います。

災害救助犬用のブーツに関して

日本レスキュー協会では、災害救助犬用のブーツを常に携行しており、災害現場の情景によって、災害救助犬にブーツを履かせるのか履かせないのか、を決断されているそうです。その決断をするのがハンドラーやチームの方々です。

広島土砂災害では…

2004年8月20日に発災した広島土砂災害では、それぞれのハンドラーが災害救助犬用のブーツを携行したいたそうです。

また、ハンドラーによって現場状況の確認が行われ、危険な箇所はないか、危険物はないか、などの確認や把握が行われ、除去できる危険物は除去し、あまりにも危険物が多い場合には災害救助犬の投入そのものを制限したそうです。

日本レスキュー協会の見解は?

犬は足の裏で多くの情報を収集している犬の情報源を遮断してしまうと思わぬ事故を招くことがある滑ることも考慮して履かせないことがある

このようなことから災害救助犬へのブーツの着用を考慮しているそうです。

『決して災害救助犬の足元について無関心でブーツを履かせていない訳ではございません』

本当にその通りだと思います。「国際的には義務化しているのではないか」という質問もあったようなのですが、日本レスキュー協会の調査によると、

『国連の捜索救助諮問機関に評価機関として入る幾つかの災害救助犬団体でも義務化せず、ハンドラーの判断で履くか否かを判断しているようです。』

とのことでした。

認定NPO法人 日本レスキュー協会(JAPAN RESCUE ASSOCIATION)

認定NPO法人日本レスキュー協会公式ホームページ では、

日本レスキュー協会について災害救助犬について災害救助犬の育成と派遣について

などの豊富な情報が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

災害救助犬への靴やブーツの着用が義務化されていない理由

日本レスキュー協会の公式ホームページへも記載されているのですが、これからご紹介する理由について

『人間側の勝手な判断だとも言えますので、ご理解いただけない部分もあろうかと思いますので、一つの情報としてお受け取り頂ければ幸いです。』

ストレスになる

私も愛犬たちに犬用の靴下や靴を履かせようとしたことがあります。手足が汚れなくて良いな…とか、肉球の保護になるな…とか、愛犬のことを思って履かせてあげたいと思ったのですが、断固拒否されてしまいました。

愛犬たちにとっては嫌な物でしかなかったのです。靴下や靴を全く嫌がることなく履いている犬もいると思うのですが、嫌がるものを無理矢理に履かせるということは大きなストレスになりますよね。

体温を上昇させてしまう

靴やブーツを長時間履かせることによって体温を上昇させてしまうのだそうです。

災害救助犬たちは無理のないように休憩しながら救助活動を行っていると思うのですが、体温が上昇してしまうことで体力が奪われてしまうのではないでしょうか。夏であれば熱中症のリスクも高めてしまうことになりかねません。

ケガのリスクが高まる

日本レスキュー協会のブログにもあったのですが

『ぬかるんだ倒木や瓦礫が点在していたため、犬が滑ることも考慮して履かせていません。』

とのことです。靴やブーツを履いていたことが思わぬケガに繋がってしまう可能性があるのです。

踏ん張りが効かなくなる

犬は爪を使って踏ん張ります。急な斜面などでは爪を使って踏ん張るため、靴やブーツを履いていたことによって滑り落ちてしまう可能性があるのです。

まとめ

日本レスキュー協会の災害救助犬たちは、ご紹介した通りの理由によって、災害救助犬用のブーツを着用するのかしないのか、ハンドラーやチームの方々によって判断されています。

いろんなご意見があると思いますが、私は日本レスキュー協会の見解を知って、納得できる部分もたくさんありました。

靴やブーツは災害救助犬たちに危険を及ぼす可能性がある、それならば、災害救助犬たちが安全に救助をすることができる、そんなブーツが開発されたら良いのにな、と思いました。