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 あなたは、不安、ストレス、悩みがあるときに誰に相談しますか?

 今回は、そんなとき相談すべき上司と相談してはいけない上司の見分け方について、年間1000人の働く人と面談をしている産業医がこっそりお伝えさせていただきます。

 先日、厚生労働省から発表された平成28年の「労働安全衛生調査(実態調査)」*1によると、働く人の中で、強い悩み、不安、ストレスを持つ人は、59.5%[平成27年調査55.7%]とのことでした。

 そして相談相手は、「家族・友人」が 81.3%[同 77.7%]と最も多く、次いで「上司・同僚」が 71.3%[同 73.2%]でした。また、実際に強い不安、悩み、ストレスがある時、人に相談することにより、実に9割以上の人が解消するか、もしくは解消しなくても、気が楽になったと答えています。この相談相手が、医師やカウンセラーではなく、家族や友人、上司や同僚であることは特筆すべきことかと思います。

 仕事のことは、会社の人には相談しづらく、プライベートな関係(家族や友人)だからこそ相談しやすいという人と、仕事のことだからこそプライベートでは相談せずに職場の人(上司や同僚)に相談したいという2つの考えがあるようです。

 もし職場で相談したいと考えるならば、実際、社員の誰に相談したらいいのでしょうか。産業医から見た、不安やストレス、悩みを相談すべき上司、相談してはいけない上司について説明させていただきます。

◆相談すべき相手を選ぶ「基準」とは?

 ストレス対策やメンタルヘルス対策では、他人に相談することは、大切なセルフケアの1つと言われています。

 昨年新しく始まったストレスチェック制度でも、「周囲にサポートしてくれる人がいるか?」「どれくらいサポートしてもらえるのか?」ということに関する一群の質問項目があります。

「サポーター」=「相談する相手」を持つということが、不安やストレスに上手に対処する上で、非常に大切なのです。

 人は不安、悩み、ストレスを抱えている時に、それを誰かに話すだけで、気持ちの整理がついたり、溜まっているものを発散したりすることができます。話している間に、新たな気づきがあったり、物事が整理できたり、不安なことが明確になったり、様々な効果があるのです。

 この場合の相談相手というのは、必ずしもカウンセラーや医師などの専門家でなくてかまいません。このような時、相談すべき相手、話を聞いてもらう相手の基準としては、ただ「うん、うん」と、だまってうなずいてくれる人がオススメです。

 その際に、話を聞いてほしい、自分の気持ちを理解してほしいだけなのに、こちらの会話を遮り、必要のないアドバイスをしてくるような上司は、相談相手にはふさわしくありません。ぜひ、黙って聞いてくれる上司を選びましょう。

◆アドバイスがほしいのか? 気持ちを理解してほしいのか?

 しかし、私の産業医面談にくる人たちの話を聞いていると、多くの働く人にとって黙って話を聞いてくれる上司をみつけることは、そんなに簡単ではないようです。

 その理由は2つあります。1つ目は、優秀な上司ほど、部下の話を少し聞けばその問題解決方法がわかってしまいアドバイスしがちだということです。また、2つ目は、年配な上司ほど、自分の経験から照らし合わせて何か助言をしたくなってしまうということです。

「俺の場合はこうだった」「俺はこうやってきた(からお前もできるはず)」というフレーズを聞いてがっかりした経験、あなたも思い当たるのではないでしょうか。

 このような“がっかり”を防ぐためにできることは、話を黙って聞いてくれる人を選ぶ他に、もう1つあります。