腸が元気な人は 疲れ知らずで、カゼもひきにくい

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人間の体の中で免疫を司るのは「腸」。体内に侵入したウイルスなどの異物は、小腸で退治されます。しかし、免疫力が弱っているとウイルスを退治しきれずに、症状が悪化してしまうことになります。カゼ以外の感染症やガンなどの深刻な疾患も免疫力が高い人ほどかかりにくいことは医学的にも明白の事実です。

免疫力が低下する最大の原因は、腸内環境の乱れです。良好な腸内環境というのは、善玉菌という腸内細菌が多いとき。便通もよく、肌荒れなどのトラブルも出にくいといったときには善玉菌が多い可能性大です。いっぽう、下痢や便秘になりやすいという場合は、腸内環境が乱れているサイン。とくに、ランニングの場合には、腸が揺さぶられることで下痢を引き起こすことが多いため、日常的にランニングをしているといった人は、日頃から腸内環境整備には気を遣いたいものです。

発酵食品は史上最強の免疫力アップ食

腸内環境は発酵食品を食べることによって良好になるといわれています。ただし、短期間で腸内環境を整えることはできません。つまり、長期間にわたって食べ続けることが必要となります。そのため、毎日の食卓に必ず一品は発酵食品を加えるという習慣をつけましょう。発酵食品には善玉菌を増やす働きがあります。発酵食品には、動物性と植物性がありますが、両方とも腸内の善玉乳酸菌を増やす効果があることがわかっています。

●動物性乳酸菌

ヨーグルトやチーズなどに含まれる乳酸菌です。栄養バランスに優れ、カルシウムなど、多くの栄養素が摂取できます。ただし、胃酸に弱く、多くの乳酸菌は生きたまま腸に届かないというデメリットもあります。ただし、胃で死んだしまった乳酸菌も善玉菌のエサとなってくれるため、善玉菌を増やすことに貢献してくれます

●植物性乳酸菌

納豆、みそ、キムチ、ぬか漬けなどに含まれる乳酸菌です。生命力の強さが最大の特長で、体内にとり込んで胃酸などの消化液によって死滅せずに生きて腸までたどり着く確率が高いのがメリットです

 

日々の食事から、健康な体づくりを目指していきたいですね。

 

ライター:楠田圭子(RUNNING style)
出典元:RUNNING style.87「疲労を抜くラン食」/監修:篠原絵里佳(管理栄養士)