太陽光・風量の発電コスト 〜 “2040年にほぼ半減”との予測・・・

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8月7日付け毎日新聞ネット記事は、太陽光・風力の発電コストが2040年までにほぼ半減することなどを記したBNEF(Bloomberg New Energy Finance)の予測について報じている。

<記事概要>
・太陽光は、21年までに中印英とメキシコ、ブラジルで石炭より発電コストが下がる。
・太陽光は導入が進み、パネルや維持管理費が安くなり、40年までに66%下がる。
・風力は、安価で効率的なタービンを使うことなどで、40年までに47%下がる。
・日本も、太陽光発電コストは25年には石炭よりも安くなる。
・日本が掲げる電源構成では、30年時点で▽石炭38%(目標26%)▽再生可能エネルギー28%(同22〜24%)▽原子力10%(同20〜22%)と予測。
・BNEF担当者「再エネ投資は世界規模で急成長する。長期的に石炭への依存度が高い日本は異例だ」。

太陽光発電コストが下がっていくのは好い話。しかし、当面の技術では、太陽光・風力は自然変動電源であり続け、原子力や化石燃料の代替となり得るための安価安定供給能力を持つことはできない。

太陽光・風力を更に振興していくためにも、コスト合理的な蓄電・畜熱技術の開発と普及が世界的にも急がれることは言うまでもない。

もっとも、太陽光・風力の発電コストが世界的には低下傾向であることは、日本の消費者の再エネ関連費用負担の多寡には殆ど無関係。固定価格買取制度(FIT)は、再エネ事業者のコスト低減効果を消費者にもたらさない。

記事最後段にある日本異例論は、日本の資源エネルギー調達事情を考えれば、的確ではない。大陸と比べて日本には、結果的に、太陽光・風力の適地は多くない。日本から見れば、欧米の一部が異例なだけ。

原子力と化石燃料は、それまでの間、過渡的に活用すべきもの。エネルギー安全保障や、化石燃料の輸入コストを考えれば、すぐにわかること。

再エネを巡る日本の目下最大の課題は、増え続ける再エネ関連コストに対する意識の低さであろう。2030年時点で、再エネ買取費用は3.7〜4.0兆円になると予想されている。これを、他の安価安定電源(原子力、石炭など)で相殺していく以外に妙案はない。

(出所:2017.8 月刊 経団連)
(NPO法人社会保障経済研究所代表 石川 和男 Twitter@kazuo_ishikawa)