山下智久ら、仲間とともに見つけた光とは? 『コード・ブルー』最終回で描かれた“暗闇の先にあるもの”

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 「求めるのは光そのものじゃない。光を一緒に探すことのできる仲間だ」(藍沢耕作/山下智久)。9月18日に放送された『コード・ブルー〜ドクターヘリ緊急救命〜THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)の第10話(最終回)。「人はよく、人生の苦難を長いトンネルに例える。光のさす出口を目指し、暗闇の中を進んで行くさまが、人生と似ているからだろう」という冴島はるか(比嘉愛未)のナレーションから始まる。そして、「人はその道を進むために様々な準備をする。ある者は明かりを持ち、ある者は地図を用意し、進む。光の先にある、答えを求めて」と続く。

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 第10話のタイトルは“暗闇の先にあるもの”。第1話の“願い”から始まり、“導く者と導かれる者”、“命より大切なもの”、“笑顔の効能”、“寄り添う人”、“落胆の向こう側”、“失敗の代償”、“孤独な夜”、“運命の1時間”とこれまでに9エピソードを積み重ねてきた。そんな9つのエピソードを集約したのがこの最終回だ。

 物語は、藤川一男(浅利陽介)の“願い”から始まる。母親を探し、迷子になっていた少年・中村翔を見つけ、話しかけようと近寄る藤川。だが、天井が崩れかけていることに気づき、とっさに翔に覆いかぶさる。翔を救いたい、守りたいという“願い”は叶うものの、藤川自身は大きな瓦礫の下敷きになってしまい、身動きが取れない状態に。

 だが、そんな時でも藤川は笑顔を忘れない。「大丈夫だ」と翔に笑いかけ、安心感を与える。そして、“暗闇なトンネルの先にある光”を目指すように促すのだ。藤川は誰よりも“笑顔の効能”を知っている。だからこそ、どんなにつらくても、痛くても意識がある限りは決して“笑顔”を絶やさない。

 そんな中、藤川が二次災害に遭ったのは、現場の指揮を執っている自分のせいだと責任を感じる白石恵(新垣結衣)。“失敗の代償”として、自らが現場に向かうことを決意する。そんな彼女に藍沢は、この場に残って指示を出すように説得。そして、「お前だから信じて任せられるんだ。指示を出すという形で、俺たちを守ってくれ」と力強く訴え、藤川の元に向かう。

 先に藤川を見つけ、処置を施していた冴島と横峯あかり(新木優子)の元に駆けつける藍沢。すぐに治療を始めるも、瓦礫の除去に戸惑い、なかなか救い出すことができない。なおかつ、瓦礫を少しずらしただけで、クラッシュシンドロームが発症。これは瓦礫をどけて血流が再開した時に、挫滅した足に溜まった毒素が心臓まで達してしまうことで起こる病気であり、最悪死に至ることもあるという。そのため、右足の血行を途絶えさせることに。だが、2時間以内に病院に搬送して、血流を回復させないと、右足を切断することになってしまう。

 一方で、緋山美帆子(戸田恵梨香)、名取颯馬(有岡大貴)、横峯あかり(新木優子)、雪村双葉(馬場ふみか)、灰谷俊平(成田凌)には、それぞれ患者が助かるかどうかのタイムリミットが刻一刻と迫り来ていた。この1時間の決断で多くの命の行方が決まる。そんな“運命の1時間”が始まっていたのだ。

 藍沢と冴島の処置により、なんとか右足切断を免れ、一命も取り留めた藤川。二日後には容態も安定してきていた。だが、冴島のために救命を離れ、一般整形に移ることを決意。そしてまた、冴島はその選択が藤川の本望でないことはわかりきっている。そんな彼に「あなたは一緒に歩いてくれる」と藤川と結婚した理由を口にした。そして、「私は、あなたが選んだ道を一緒に歩きたい。本当に行きたい道を歩いて」と救命に残ることを許すのだった。藤川は冴島の“寄り添う人”であり、冴島もまた藤川の“寄り添う人”なのだ。

 一方で、そんな藤川の元に白石が顔を出し、「藤川先生、ごめんなさい」と深々と頭を下げる。この二日間、彼女はきっと「藤川先生が怪我をしたのは私のせいだ」と自分を責め続け、眠れない“孤独な夜”を過ごしてきたのだろう。また白石は、藤川が冴島にとって“命より大切なもの”であることを知っていた。だからこそ、冴島とした「藤川先生は大丈夫」という約束を破ってしまったことにも自責の念を覚えているはずだ。

 彼女はその責任感の強さゆえに、これまで何度もなんども自分自身に“落胆”してきた。「黒田先生の救命を超える」という目標を胸に頑張ってきていた彼女だが、救命の仲間やフェローたちを通して、「私は私なりの救命をつくっていくしかないんだって分かった」と最後は晴れやかな顔で言っていた。彼女は“落胆の向こう側”に到達したのだろう。そして、視聴者である私たちもまた、白石なりの救命をなるべく早く見たいと願う。

 そして横峯もまた、自分のせいで患者を殺してしまったと自身を責めていた。そんな彼女に「自惚れるな」と声をかける藍沢。「医者は所詮、助かる命しか救えない。手の施しようのない患者を、神のように救うことなんてできない」と続け、「救える命を確実に救う。そのために日々学んでる。それは俺も同じだ」と藍沢らしい不器用な優しさで励ますのだった。藍沢らフライトドクターは最後までフェローや患者たちを“導く者”であり、また同時に白石が灰谷のおかげで“落胆”が吹っ切れたように、フェローや患者たちに“導かれる者”でもあったのかもしれない。

 藍沢たちはきっとまた、先の見えない暗闇に一人たたずむ事態に直面するだろう。だが、そんな時は暗闇を共に歩ける、光を一緒に探すことのできる仲間の存在を思い出す。そしてまた、“暗闇の先にあるもの”に向かって、歩き続けるのだ。(戸塚安友奈)