中国共産党、大学や外資企業で党組織の設置を強化している。写真は、中国で広く展開するフランス系スーパーマーケット、カルフールの北京店舗。2012年に共産党支部を置いていることを明かしている(TEH ENG KOON/AFP/Getty Images)

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 中国共産党は近年、外資企業に党支部(党の末端組織)の設置を命じ、企業統治への介入を図っている。米国の専門家は、外資企業での党組織設置は世界貿易機関(WTO)が定めた国際規定に違反しているとし、WTOが中国当局に対して抗議し措置を講じるべきだと指摘した。

 ロイター通信の8月の報道によると、中国当局は外資企業を含む民営企業に対して、当局の法律の下で党支部を設置するよう要求した。 

 中国日報7月の報道によると、国内の民間企業約186万社のうち、およそ7割に党組織が置かれている。

 また中国政府系メディアは、国営石油大手の中国石油化工股份有限公司(中国石化、シノペック)の幹部の話として、同社は合弁事業のパートナーである外資企業に対して、合弁企業の定款に「党建設の工作に関する規定」を盛り込むよう求めた、と報道した。

 米国シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のクロード・バーフィールド(Claude Barfield)研究員は大紀元の取材に応じ、中国当局の要求は、WTOの規定や国際ビジネス規則に反していると批判した。

 「共産党員は企業の運営が全くわからない。WTOは、中国共産党員が民営企業の業務運営決定に干渉しようとする当局の要求に抗議する責務があり、処分を課するべきだ」との認識を示した。

 バーフィールド研究員によると、WTOの規定では、加盟国は域内外資企業に対して、ある特定の責任を押し付けてはいけないと定めている。

 ロイターの報道によると、一部の在中外資企業の幹部は、中国当局から「政治的圧力」を受け、国営企業との合弁事業において、事業運営などに関する最終的決定権を党支部に与えるよう企業定款の改訂を要求されたと話した。

 「非常におかしいやり方だ。米国の商務長官や財務長官がゼネラルモーターズ、またはIBM、トヨタ自動車の取締役になるような話だ。非常に理不尽だ」とバーフィールド氏が批判した。

 また、バーフィールド氏は米国企業だけではなく、すべての在中外資企業は自国政府に支援を要請するよう提案した。「もし中国当局に党支部の内部介入を強要されたら、各企業はそれぞれの政府に実状を伝えたほうがよい。米国、EU、日本の各政府がそれに強く抗議することが非常に重要だ。各国政府が中国製品の輸入制限など様々な対抗措置を模索すべきだ」と話した。

 さらにバーフィールド氏は、中国共産党が外資企業への内部介入を強化した目的が三つあると分析した。

 一つ目は政治統制。二つ目は企業の秘密情報を入手しようとすること。三つ目は入手した企業秘密、特に技術情報を当局管理下にある国営企業に提供することだ。

 一方、AEIエコノミストのデレク・シザーズ(Derek Scissors)氏は、内部介入の主な理由は、外資企業を通じて反中国共産党情報が国内に流されることに当局が強く警戒しているからだとの見方を示した。

 中国当局が最も危惧しているのは、外資企業の中国人従業員が海外から得た情報や自らの人脈を通じて、全国的に反体制運動を起こすことだ、とシザーズ氏は指摘する。

 米メディアのボイス・オブ・アメリカの報道によると、昨年7月米小売り大手ウォルマート・ストアーズの中国事業では、従業員が賃金や労働時間制度への不満から、中国東北地方の黒竜江省ハルビン市、長江中下流の南部に位置する江西省南昌市、西南部に位置する四川省成都市など、各地の一部店舗で同時にストライキを起こした。

(記者・秦越、翻訳編集・張哲)