台湾の蔡英文総統は「台湾でこれまで以上にムスリム(イスラム教徒)とフレンドリーな環境を構築する」とする考えを示した。写真は台湾総統就任式の様子。台湾総統府公式サイトより。

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台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は18日、ハッジ(メッカ巡礼)から帰国したイスラム教徒と会談し、ツイッターに「私たちはこれまで以上にムスリム(イスラム教徒)とフレンドリーな環境を構築する」などと書き込んだ。

台湾人のイスラム教徒の多くは、第2次世界大戦後になり中国大陸から来た、いわゆる外省人だ。また現在は、家事手伝いの労働者などとして滞在するインドネシアなどイスラム圏の東南アジアから来た人も多い。

台湾メディアの三立新聞網は18日、イスラム教信者と会談した蔡総統が、台湾の民衆はかつてイスラム教に対する認識が不足していたと認めた上で、現在はイスラム教側の努力によりイスラム教に対する新たな認識が生まれていると述べたと伝えた。

蔡総統はさらに、イスラム教徒は台湾にとって重要なパートナーであり、新南向政策に欠かせない力だと主張した。新南向政策とは、馬英九(マー・インジウ)前政権の対外政策は中国一辺倒だったとの批判に基いて東南アジアや南アジアとの関係強化を進める政策で、蔡総統はイスラム教徒との会談で、新南向政策とは多元的な文化の交流と協力を目指すものと説明したという。

蔡総統はこれまで、先住民族を含む少数勢力の存在を重視し、台湾においての多様な価値観の包容力ある共存を強調してきた。イスラム教の重視も、政権としての理念の一環と言えることになる。

また、中国政府は伝統的にアラブ諸国やイランなどとの友好関係を重視する一方、最近ではウイグル族など国内におけるイスラム教信者に対して宗教色や民族色を取り除く政策を強行している。蔡総統のイスラム教重視は、台湾社会の中国大陸との違いを際立たせる狙いもあると考えられる。(翻訳・編集/如月隼人)