受刑者が社会復帰のための作業の一環として線画を描き、それを素材として販売するサイト「漫画家本舗」が話題だ。

みね友善塾が運営しており、イラストを描いているのは山口県の美祢市にある刑務所「社会復帰促進センター」の受刑者たち。サイトでは、乗り物や建物、会議室など約100点が公開されている。4月27日にサイトを開設していたが、最近テレビ番組やネットで続けざまに紹介され、注目度を高めている。

素材はJPG画像のほかComicStudioファイルやPhotoshopファイルなども用意されているほか、さまざまなアングルからのカットも網羅。価格は540円からで、1点から購入できる。

みね友善塾代表の渋谷巧氏は、同サイトで、

「細かい線画作業で根気と集中力を養ってもらえるのではないかと、そしてやりがいをと・・・」

と、受刑者が刑務作業として線画を描くようになった理由を説明。地味で根気の要る作業をすることにより、「途中で投げ出さない、最後までやりぬく」という姿勢を身につけさせるという意図があるようだ。また、デジタルでの漫画背景作業は、「使う人の立場に立ってどうすれば使いやすいかを常に考えて作業するのも彼らには大切なこと」との思いから、“レイヤー分け”を考えて描くように指導しているとのこと。

さらに、サイトで公開・販売することで、多くの人に見てもらい、楽しんでもらえるという。渋谷氏は「きちんとやり遂げたことには、ちゃんと評価され認められると知ってほしいのです」と思いをつづり、「事実、彼らの目の輝きや口調、態度は指導を始めた当初とは明らかに変わっていると私は感じています」とも報告している。

この取り組みに、Twitterでは、

“素晴らしい試み”
“こういう試みはいいかもね。受刑者でも得手不得手があるし、それで自分の持つ技術を基に社会復帰の手立てになるのならいいんじゃあないかな”
“山口刑務所の受刑者が描いた漫画素材、クオリティ高!絵を描いている最中は己と向き合うことや無になるほど集中することが必要だし、成果物がわかりやすく達成感を得やすいから心のリハビリになる”

と称賛の声が続出している。

渋谷氏のFacebookでは、現在受刑者たちが線画以外に、アニメーションにも挑戦していることも明かされている。受刑者が描いたアニメ作品が登場する日も遠くないかもしれない。
(花賀 太)

■関連リンク
・漫画家本舗
https://mangakahonpo.thebase.in/
・渋谷巧氏Facebook
https://www.facebook.com/takumi.shibuya.9
・みねマンガ塾
https://www.facebook.com/%E3%81%BF%E3%81%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E5%A1%BE-1707504512813750/