豪北東部クイーンズランド州タウンズビル近くの研究施設で、ホラガイ繁殖計画を主導する海洋化学生態学者のシェリー・モッティ博士。オーストラリア海洋科学研究所提供(撮影日不明、2017年9月18日公開)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】オーストラリア政府は18日、同国にある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)をヒトデの被害から救うため、ヒトデを食べる巨大な巻き貝を放つ計画を発表した。その一環として、このまれな巻き貝を大量繁殖させる試みが進められている。

 サンゴを捕食するオニヒトデはもともとグレートバリアリーフに生息しているが、汚染と農業排水によって急増している。

 オニヒトデの影響は深刻だ。2012年に実施された全長2300キロメートルのサンゴ礁の健康に関する大規模調査で、過去27年間にサンゴに覆われた部分は半減し、その損害の42%がオニヒトデによるものだったことが明らかにされた。

 一方、オーストラリア海洋科学研究所(AIMS)の研究によると、オニヒトデはホラガイが生息する地域を避けることが分かっている。

 約50センチメートルにも成長するこの巨大な巻き貝は発達した嗅覚を持っているため、においだけで餌を捕獲することができる。研究によると、ホラガイはオニヒトデが大好物だが、食べるのは1週間にほんの数個。また貝がら目当ての乱獲によって絶滅の危機に直面しており、残されている数は多くはない。

 これを受けてオーストラリア政府は18日、ホラガイの繁殖に関する研究への資金提供を発表。ウォーレン・エンツッチ(Warren Entsch)下院議員は「もし成功すれば、科学者がオニヒトデの習性に対するホラガイの影響を詳細に観察でき、サンゴ礁が根こそぎ失われるのを食い止める管理ツールとしての潜在的能力を試すことが可能になる」 と述べた。

 AIMSが保有するホラガイは、無数の涙形の卵嚢(らんのう)を産み付け、先月には10万を超える遊泳性幼虫がかえった。だがホラガイは非常に希少なため、そのライフサイクルについてはほとんど知られていない。AIMSが保有する八つのホラガイの収集には、2年がかかった。
【翻訳編集】AFPBB News