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●シニア層を呼ぶための施策

「TSUTAYAのスマホ」として格安スマホ事業を展開するトーンモバイルが、9月15日にシニア向けサービスの強化を発表した。これまで子ども向けスマホに取り組んできた同社が次に狙うのが、約6000万人のシニア市場だ。

だが大手キャリアや国産メーカーを中心に、シニア向けスマホに取り組む事業者は多い。トーンモバイルに勝算はあるのだろうか。

○シニアを狙う特殊詐欺に対策、電話アプリに工夫

トーンモバイルが新たに発表したのが、「あんしん電話」サービスだ。振り込み詐欺や架空請求など、危険な電話番号からの着信時に画面上で注意を喚起する。規約に同意した全ユーザーに向けて、無料で提供するとした。

導入の背景には「怒りがある」と、トーンモバイル代表取締役社長の石田宏樹氏は語る。「特殊詐欺には電話やインターネットが多用されている。これまで通信インフラを発展させてきた人間として、こうした詐欺に使われることに怒りを覚える」という。

では、どうやって電話番号を見分けているのか。詐欺に使われた電話番号を記録した外部のデータベースに、トーンモバイルのIP電話や090電話のシステムを接続。さらに既知の番号だけでなく、様々なパラメーターから機械学習により危険を知らせる人工知能(AI)を組み合わせたという。

インターネットを利用したフィッシングなどの詐欺対策としては、Webフィルタリングと専用ブラウザーを「あんしんインターネットLite」として無料提供する。

●安さと安心を両立

○格安スマホでも「安心」が欠かせない要素に

このようにトーンモバイルは、格安スマホでありながら単に料金が安いだけでなく、独自のサービスを加えることで差別化を図っている。Androidのホーム画面を使いやすくしたり、位置情報を利用した見守りサービスを開発したりと、ソフトウェア面での工夫が目立つ。

子ども向けスマホでは、ママ世代を読者に持つ女性誌「VERY」とともに、「小学生のスマホ利用を夜10時まで」と宣言。スマホ会社が「スマホを使えなくする」

機能を打ち出したことが、話題を呼んだ。

開発したソフトウェアの横展開も進める。たとえば、子ども向けには親子でスマホの使い方を決め、専用の用紙に記入し、アプリ撮影するとその通りに設定される機能を提供した。これをシニア向けには初期設定用の機能として打ち出した。

ママ世代の信頼を得たトーンモバイルが提案するのが、子どもやシニアにスマホを渡す「贈りスマホ」だ。携帯電話の契約は複雑で、販売店によっては高齢者に不要なオプションを契約させるなどの問題も起きている。だがトーンモバイルは月額1000円と分かりやすい。

ハードウェア面では、最新端末の「TONE m17」が富士通製であることも強みになりそうだ。シニア向けスマホの代名詞といえばドコモの「らくらくホン」シリーズだが、主に端末を作っているのは富士通なのだ。耐久性などの特徴を受け継いでいるのはもちろん、誰もが知っている安心の国産ブランドでもある。

まだまだ格安スマホには、大手キャリアのような手厚いサポートがない代わりに料金が安いというイメージが強い。だが一般層にも急速に普及するいま、格安スマホにも安心感は求められる。一見すると相反する「格安」と「安心」だが、独自技術でそれを両立させるのがトーンモバイルの狙いだ。