レスター・シティの岡崎慎司が、2試合連続で先発メンバーから外れた。

 前節のチェルシー戦は、日本代表として参加したW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦の4日後に行なわれたことから、「長旅をしてきたので休みを与えた。戦略的理由で欠場させた」(クレイグ・シェイクスピア監督)。そのため、地元紙『レスター・マーキュリー』では今節ハダースフィールド戦での先発復帰が予想されていたが、岡崎はベンチスタートとなった。第3節まで2得点を挙げる活躍で好調をアピールしていたものの、ピッチ上でキックオフの笛を聞くことはできなかった。


試合後にバーディーと健闘を称え合う岡崎慎司

 岡崎の代わりに2トップの一角に入ったのは、新戦力のFWケレチ・イヘアナチョ。2500万ポンド(約37億円)で加入したナイジェリア代表FWがジェイミー・バーディーとコンビを組むことになったが、チームの攻撃はまったくと言っていいほど機能しなかった。

 最大の原因は、この2トップの編成にある。攻撃マインドの強いイヘアナチョは守備の意識が希薄。ボールを追いかける仕草は見せるが、あくまでも形式だけのランにとどまり、チームのプレッシングはまるで機能しなかった。バーディーも同じスピードタイプFWであることから、ふたりが最前線で真横に並び、ただスルーパスを待つシーンも少なくなかった。

 試合中、シェイクスピア監督はこの2トップに「バーディーが前方、イヘアナチョが後方」の「縦の位置関係」をとるように指示を出していたが、前所属のマンチェスター・シティでも1トップを張ることが多かったナイジェリア人アタッカーは、バーディーを後方で支えるセカンドストライカーの役割をうまくこなせなかった。

 パフォーマンスが劇的に向上したのは、途中交代で岡崎が投入された69分から。中盤と最前線の間のポジションに陣取り、パスとフリーランで2つのエリアをつなぐ役割をこなして自軍の攻撃を活性化。そして、敵がアタックの起点としていたセントラルMFに素早く寄せ、その威力を半減させた。攻守両面で、岡崎の起用効果は大きかった。

「相手のセントラルMFを潰すことを一番に考えた。センターバックに持たせるようにさせて、彼らがボールを持ったときにプレスにいけば『抑えられるな』と思った。守備で圧力をかけて相手のミスを誘うことで、自分たちのリズムが取れるようになる。それは、自分なら絶対できると思っている。試合の流れを変えることができるのは、自分でも十分わかっているので」

 ただ、岡崎はそれだけで満足していない。目標は、あくまでもFWとしてゴールの数を増やすこと。与えられた時間で、いかに結果を掴むか。この一点に集中しているので、先発の有無や出場時間には不満を感じていないという。

「『試合の流れを変える』ということより、もっと決定的な仕事をすることに対して自分に厳しくしたい。試合に出られないことを嘆くより、今の(与えられた出場時間の)20分でゴール前でのクオリティのことを考えたい。チームにはいいFWがたくさんいる。前回の試合で(イスラム・)スリマニを先発で使い、今回はイヘアナチョを使った。そこから考えられるのは、先発メンバーを回してバーディー以外の選手のモチベーションが下がらないようにしたいということ。もちろん、高いお金を使って獲得したという事情もあるでしょう。

 プレミアリーグはそういう場所。だから、そういうことを考えていること自体、もう時間の無駄というか。自分が出たときに何をやれるかが大事。今日の試合も『試合に出て満足』ということでなく、『20分のなかで結果を出さなければ、次のチャンスはない』というふうに考えています。プレミアリーグのFWに安定はないと思います。世界の代表クラスが揃っていますから。やっぱり自分も負けたくないので、結果を残していくしかない」

 岡崎の起用で試合の流れはレスターに傾いたが、追加点を奪えずハダースフィールド戦は1-1のドローで終えた。投入時には「もう点を決めるだけ。チャンスだと思った」と気持ちを奮い立たせていただけに、岡崎のゴールでチームの勝利を呼び込めたら最高のシナリオとなったが、それは叶わなかった。

「やっぱり、最後の局面でのクオリティがまだ足りないと思う。縦にパスが入って足もとで受けたときに、まだミスがあるなと思う。そこってやっぱり重要じゃないですか。

 ただ、コンディションも調子もいい。監督ともいろいろと話をした。自分は試合に出たいけど、監督が他の選手を使いたいこともわかっている。その部分は納得せざるを得ない。だけど、今の調子のよさを捨てたくない。だから、なんとかゴールを獲って、維持したい。(ゴールは)今日でもよかったし、次のカップ戦でもいい。点がほしいですね」

 レスターの次戦は9月19日に行なわれるリバプールとのリーグカップ。そして、23日にふたたびリバプールとの国内リーグ戦が控えている。岡崎はどちらかの試合で先発することになるだろう。

 このビッグマッチでゴールやアシストという目に見える結果を残し、定位置確保に向けてアピールしたいところである。

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