撮影/小野洋平

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風呂場やキッチンに比べ、“リフォームどき”が分かりづらいのがトイレ。定期的に掃除していれば見た目もあまり劣化しないし、最新のものに変えたところでトイレの機能なんてそれほど大きくは変わらないはず……。
「トイレのリフォームは、いつすればいいのか?」
そんな疑問について、住宅リフォームコンサルタントのYuuさんに伺った。

リフォームのタイミングは「生活寿命」を迎えたとき

まず、そもそもトイレはどれくらい長持ちするものなのでしょうか? 

「耐久性という意味では以前の便器は全て陶器だったので、割れない限り100年でも200年でも使用できると思います。ただ、パッキンや配管の寿命は20年〜30年とされています。そのため、劣化によるトイレの交換どきは本体から水漏れしたり、配管の故障などトラブルを起こす可能性が高まる20年〜30年が目安になってきます」

ただ、これはあくまで物理的寿命の話。重要なことは「生活する上で使いやすいかどうか」だという。

「リフォームのタイミング=故障したときでは決してありません。使いづらいと感じたとき、つまり『生活寿命』を迎えたときもリフォームの『しどき』と言えるんです。生活寿命が終わると人は『不』を感じます。便器の汚れが落ちなくなったり、トイレの匂いが気になり出したら、交換を検討すべき時期かと思います」

最近の便器は何が違うの?

そもそも、年式が古いトイレは劣化しやすいという。同じように見える陶器の便器でも、最新のものは「表面の仕上げ」が大きく変化し、汚れがつきにくくなっているようだ。

「昔の便器の表面って、じつは小さな穴が空いているんですよ。そのためコーティング剤を使ってふさいでいたのですが、長年使い続けるとそれが剥がれていき、汚れがたまったり、色がこびりついてしまうわけです。しかし、今では陶器を焼く工程(焼成方法)が変わり、ナノレベルで凹凸のない便器をつくることができます。表面は極めてつるつるで、100年持続するものもあり、汚れがつきにくくなりました。また、最近の洋式便器でいうとフチの裏側が掃除しやすい形状に変わっているものや、封水と呼ばれる水のたまる面積が広くなってやはり汚れがつきにくくなったりしたものなど、さまざまな工夫がされています」

素材や形状によって清潔さを保ち、掃除もしやすい。トイレの最大の進化ポイントは「汚れにくい」ことだという。また、トイレの悩みで多い不快な「ニオイ」についても、アンモニアに強く、かつ消臭機能を持つ床材や壁材にリフォームすることである程度は解消できるとYuuさん。

さらに、「トイレリフォームによって、オシャレで清潔感のある見た目に変更することも可能です。例えば、人気のタンクレスはトイレと一体型なので手前に広いスペースができます。出入りがラクで掃除もしやすいうえ、壁に独立した洗面台をつくることもできるんです。そこに鏡を置いておくだけでも、だいぶ雰囲気が変わると思います」とのことだ。

トイレリフォームで気を付けるべきポイントは?

最後に、トイレのリフォームに当たって気を付けるべきポイントについても伺ってみた。

「まずは費用ですね。トイレのリフォーム代ってピンキリなんですよ。例えば、人気のタンクレスにすると50万円弱はかかります。コストを少しでも抑えるために大事なのは、自分にとって必要な機能を見極めることです。いらない機能をカットするだけで、だいぶ安くなりますよ。また、いずれお風呂や洗面台などのリフォームも考えているなら、トイレを含む水まわりをまとめて行うと価格を抑えられるのでオススメです」

それでも、単位面積で考えるとトイレのリフォーム費用は割高に感じられるかもしれない。しかし、家族全員が何度も使用する場所であることや、掃除の頻度などの手間を考慮すると、多少はお金をかけてもやる価値はありそうだ。

なお、リフォームを行う場合「事前にショールームに行くべき」とYuuさんはアドバイスする。

「ソファを買うときって、実際に座り心地を確かめてから買いますよね? トイレも同じです。実際にモノを見て、触って、お尻のはまり心地、便座の柔らかさ、便器の色などを確かめましょう。メーカーや型番によって、座り心地はまったく違います。ぜひ、家族で試してください」

じつは大きく進化していたトイレ。もし、自宅のトイレに「不」を感じているのであれば、リフォームを検討してみてもいいかもしれない。

●取材協力
Yuu
一級建築士事務所 OfficeYuu代表、住宅リフォームコンサルタント
一級建築士、インテリアプランナー
近著:リフォームはこうしてやりなさい/ダイヤモンド社
(小野 洋平(やじろべえ))