かつてバルサ時代、通訳と選手の間柄だったクーマン(右)とモウリーニョ(左)。とくに不仲の間柄ではないはずだが。(C)REUTERS/AFLO

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 エバートンのロナルド・クーマン監督が、「余計なお世話だ」と言わんばかりに敵将に噛み付いた。軽はずみな発言の主は、マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督だ。
 
 9月17日のプレミアリーグ5節、両チームはオールド・トラフォードで相まみえた。ウェイン・ルーニーの帰還が注目を集めた“殿堂”での一戦は、ホームのユナイテッドが力の差を見せつけて4-0の圧勝を収めた。
 
 その試合のマッチ・デー・プログラムで、モウリーニョ監督が対戦相手について言及。「この夏、トフィーズ(エバートンの愛称)は1億4000万ポンド(約200億円)を投じた。リーグのトップ4に食い込んでこないとおかしいよね」とのメッセージを寄せていた。
 
 これに敏感に反応したのが、クーマン監督だ。試合後の記者会見で、「読んだよ。トップ4だって? 現実的な話をしろ! 誰が実現できると思う? もしこの中にいるなら遠慮なく言ってくれよ。どうだい?」とメディアに向かって語りかけ、「まったく現実的な物言いをしてほしいね。酷いシーズンスタートを切って、いま我々は困難な道を歩んでいる。時間が必要なんだよ」と訴えかけた。
 
 確かに、エバートンは窮地だ。このユナイテッド戦を落として公式戦4連敗。その4試合は0得点・12失点という惨状で、プレミアでは降格圏の18位に低迷している。

 昨シーズンは7位と健闘した。今夏にはロメル・ルカク、ガレス・バリーが去り、ルーニーやギルフィ・シグルドソン、ジョーダン・ピックフォードなど9人の即戦力を獲得。一大刷新を図ったわけだが、新チームは攻守の歯車が噛み合わず、とりわけゴール欠乏症が深刻なのだ。
 
 そこにタイミング悪く、モウリーニョ監督のコメントが飛び込んできた。クーマン監督は小ばかにされたように感じ取り、怒りを露にしたのである。
 
 だが、ポルトガル人指揮官のあのコメントはシーズン開幕前のもので、当然、モウリーニョ自身に悪意などない。その後の自身の会見では、エバートンに対して同情的な発言が聞かれた。
 
「彼らの開幕からの5試合の相手を見てほしい(ストーク・シティ、マンチェスター・シティ、チェルシー、トッテナム・ホットスパー、マンチェスター・U)。昨シーズンのトップ5がいくつ入ってる? お気の毒と言わざるを得ない。いまは厳しいだろうが、きっと良くなってくると思うよ」
 
 普段から過激発言を繰り返していると、予期せぬところから火の粉が飛んでくる、ということか。モウリーニョ監督にしてみれば、ややとばっちりのハプニングだった。