『愛してたって、秘密はある。』福士蒼汰を守った愛 100の嘘に勝った1つの真実とは?

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 「愛する人の秘密はどこまで許せるか?」という命題を掲げ始まった『愛してたって、秘密はある。』は立花爽(川口春奈)の一途な愛によって終幕。「100の嘘を重ねても1つの真実には敵わない」という香坂いずみ(山本未来)の言葉通り“愛”という1つの真実が奥森黎(福士蒼汰)を救うこととなった。

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 奥森皓介(堀部圭亮)の日記から父の胸の内を知った黎は、爽に自分が殺人犯だったことを伝える。思わず後ずさる爽に対し、黎は「心のどこかで期待していた」と落胆する。翌日、黎の家には、トロフィーを送った犯人がわかったと警察がやってきた。防犯ビデオに映っていたのは奥森晶子(鈴木保奈美)の姿。驚愕する黎は真実を確かめるべく晶子の接見についていくことに。

 黎が皓介の日記を見たことを晶子に伝えると「思い出したの?」と驚きの表情を見せる。戸惑う黎に晶子は「日記のことを覚えていないのは、あの子がその記憶を引き受けてるから。もう1人のあなたよ。黎と朔」と黎が二重人格者であったことを本人に伝える。昔、日記を読んでしまったことをきっかけに現れた朔は「俺はさ、自分が悪いことしたなんて1ミリも思ってないから。死んで当然だろ、あんなクズ親父」と高笑いをする。黎と爽が付き合いだしたことに怒りを見せる朔は「どうやって潰そうか、黎の結婚」と目を爛々と光らせ、晶子に無理やり協力を求め、不可解なメールや爽への郵便を送ったという。

 そして立花弘晃(遠藤憲一)と口裏を合わせたこと、階段から自ら落ちたことを告白し「母さんが危ない目にあったら結婚諦めてくれるかと思って。死んだって構わなかった」と吐露。爽の髪飾りや玄関の規制線、風見忠行(鈴木皓介)を逃したことなど「全部母さんがやった」と追いかけ続けた黒幕が母だったことに驚きを隠せない黎。「母さんは俺の幸せなんか全然、少しも望んでなかったの?」と涙ながらに訴える黎に「まさか、幸せになってほしいに決まってるじゃない」と声を慄す晶子。息子を守るためだったとはいえ、黎の笑顔を取り戻してくれた爽を傷つけることになってしまったと晶子は深く頭を下げた。

 晶子もまた朔という息子の秘密を1人で抱え、葛藤していた。息子の指示で息子を幸せの淵へと追い込むのは胸が避ける思いだっただろう。しかしこれもまた“守りたい”という母親としての愛の形であり、そこだけは揺るがない真実だった。

 黎が家にいることを聞いた爽は、安達虎太郎(白州迅)から受け取った2人の婚約指輪を握りしめ自宅へと向かうが、そこには黎ではなく朔の姿があった。「なんで償わなきゃならないの? 何にも悪いことしてないのに」と開き直った態度を見せる朔に、爽は彼氏に暴力を受けていると警察を呼んだ。現実を俺に丸投げして逃げた黎を弱いと罵る朔に「黎は強いよ。自分の罪にちゃんと向き合って償うって決めたんだから」とまっすぐな目で訴える。朔は警察に取り押さえられ、そのまま連行されてしまう。その時、目が覚めた黎は「ありがとう」と一言だけを残し連れて行かれた。爽の必死の訴えが朔の奥にいた黎にまで届いたのだろう。

 接見にきた爽に黎は「ホッとしてるんだ。やっと償える。爽のおかげだよ。本当にありがとう」と感謝を伝える。それに爽は「まだ嘘を重ねるつもり?」と首に下げた婚約指輪を掲げ「100の嘘を重ねたってコレには敵わないよ」を2人の愛しあった時間は真実だったことを確かめ合う。罪を償ったら婚姻届を出して、あのチャペルで式を挙げて、と2人とも涙を流しながら語り、「黎のこと全部大好きだから」と本当の真実を知った上で全て受け入れることを誓った。

 暗い森の奥にいた黎を照らし出した爽の愛は、まさしく全てを受け入れるものだった。そして黎もまた相手を信じて全てをさらけ出したことで、真実を手に入れることができた。そういった意味で“愛し合うこと”ができたがゆえに、2人は結ばれたのではないだろうか。

(馬場翔大)