菅 未里●大学卒業後、文具好きが高じて雑貨店のステーショナリー担当に。文具の魅力を各種メディアで紹介する“文具ソムリエール”として活動して脚光を浴びる。著書に『毎日が楽しくなる きらめき文房具』『文具に恋して。』がある。

写真拡大

使い心地のいい文具をどう選べばいいのか。今回、「文具ソムリエール」の菅未里さんに、機能性とデザイン性を兼ね備えた最新文具10点を選んでもらった。「ボールペン」「万年筆・シャープペン・マーカー」「定規・のり・修正テープ」の3ジャンルに分けてご紹介しよう。

■「この人、デキるな」と唸らせる逸品は?

「プレジデント読者に、“間違いない”文具を選べた自信はあります」

開口一番、文具ソムリエールの菅未里さんは力を込めて話す。

「筆記具を選ぶポイントは、まず書き味がいいこと。力を抜いてさらさら書けるタイプはおすすめです」

たとえばボールペンの「ジュースアップ」は、極細×滑らかな書き味。「ロメオNo.3」はまろやかな書き味に定評がある。

基準にすべきは機能面だけではない。“見た目”も重要だと言う。

「デザインがいいと使うこと自体が楽しみになるし、仕事のモチベーションも上がります。使う文具で仕事の成果は変わると思いますね」

さらに菅さんはこう付け加える。

「文具はファッションと同じです」

どういうことか?

「文具の正解は、それを使う人に似合っているかどうかで決まります。仕事内容とマッチする文具を使っている人を見ると、『この人、デキるな』と見惚れてしまいます」

次ページから紹介するのは機能性とデザイン性を兼ね備えた10の文具。この中から、あなたに似合う文具を選び取ってほしい。

書くのが楽しくなる! デザイン性と機能性を両立したラインアップ
●ボールペン

▼大正ロマン漂う「よそ行き」の一本

「ITOYA ロメオNo.3 7000円+税(細軸)8500円+税(太軸)」
1914(大正3)年の万年筆をルーツに設計。程よい重量感があり、上質な低粘度油性インクのまろやかで流れるような書き味を楽しめる。「見栄えのいいよそ行きの一本」(文具ソムリエール 菅未里氏、以下同)。メモをとる姿も優雅に見える。太軸、細軸の2種類。

▼極細なのにペン先するする〜♪

「パイロットジュースアップ 200円+税」
新開発のペン先を搭載し、滑らかな書き心地を実現したゲルインキボールペン。「細いのにガリガリ紙につっかからず、するする気持ちよくペン先が走ります」。激細0.3mm、超極細0.4mmから選べる。

▼これで今日からインテリ気取り!

「ぺんてるエナージェルフィログラフィ 2000円+税」
速乾性に優れたエナージェルボールペン。「シックな色合いが素敵」なメタルボディタイプで、持ち手の指を知的に演出。しっくり手に馴染む程よい重さ。繊細なタッチでさらさらっと素早くペン先が進み、切れ味のいい字が書ける。全5色。

作業効率アップ! かゆいところに手が届く実力派のアイテム
●万年筆・シャープペン・マーカー

▼ボールペン?  いいえ、万年筆なんです

「パイロット キャップレス マットブラック 1万8000円+税」
ノックボタンを押せば書き始められる手軽さが魅力の万年筆。「同じシリーズで3本持っている」文具ソムリエール 菅未里さんのイチ押しは、クールなマット仕上げのこの一本。手に吸いつくような触り心地で、18金のペン先は柔らかな書き心地。極細、細、中、太字の4種がある。

▼本気で使える極細消しゴムつき

「トンボ鉛筆 モノグラフゼロ 600円+税」
製図用にも使える低重心のシャープペンで、安定感のある字が書ける。注目はノック部分を回すと伸びてくる2.3mmの消しゴム。「細かいところを丁寧に修正できて、消し味も抜群」。“モノ消し”モデルを含む全5色。

▼引きすぎず即乾く。蛍光ペンの革命児

「三菱鉛筆 プロパス・ウィンドウ クイックドライ 130円+税」
ペン先に窓がある蛍光ペン。「窓から線の行き先が見えるので線を引きすぎません」。速乾性の優れたインクで、「艶のある紙に書いてもすぐ乾くので手も紙も汚れない」という、気配りの行き届いたアイテム。全10色。

▼ワンプッシュでキャップが開く快感

「ゼブラ オプテックス2 EZ 100円+税」
蛍光ペンはインクの乾きを防ぐためにキャップはきついのが常。「そんな不満を解消。キャップの両サイドを軽くプッシュするだけで簡単に開く。地味だが画期的」。頻繁に開け閉めする際、圧倒的にラク! 全10色。

スマートに対応! 男の格を一段上げる頼もしきサポーター
●定規・のり・修正テープ

▼カッターもOK。一本二役のズレない定規

「モチモノ ピタットルーラー 600円+税(15cm)1200円+税(30cm)」
紙の上をスムーズに動き、定規を上から押さえると裏面の滑り止めが紙に密着する構造。「線を引くときに定規が滑らない」からストレスなく使える。アクリル定規、カッターを当てて使えるアルミ定規が1本になった優れもの。15cm、30cmの2種類。

▼小さなミスを狙って消せるプチサイズ

「プラス ホワイパープチ 200円+税」
世界最小クラスの修正テープ。引いて修正できるだけでなく、本体を反転させて逆方向に押すことも可能。「1文字でも消しやすいので、面積の狭い手帳にも重宝」。テープが紙に付着しやすい新設計で、上書きもきれい。テープ幅2.5mmもあり。

▼ペン感覚でペタペタ貼れるテープのり

「コクヨ ドットライナーノック 350円+税」
キャップを開ける手間を省いた、ノック式のテープのり。「ボールペンのように使えてペン立てにも収まる、実用的なアイテムです」。テープ幅は7mm。糸引きがなく、紙の端ぎりぎりまではみ出さずきれいにのりづけできる。

(安井 洋子 撮影=関口達朗)