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今日は手持ちがないから、後日払うねーー。馴染みの店だからこそできる「ツケ払い」ですが、「ツケが支払われないままで困っている」というお店側からの相談が弁護士ドットコムの法律相談コーナーに多数寄せられています。

キャバクラで働いているという女性は、ツケ払いをしたお客さんの名前や携帯番号、メールアドレスなどは分かっているものの、支払いについて電話をしても連絡が返ってこないそうです。「お店も私のことを信頼していただけに、泣き寝入りはしたくない」と訴えています。

また他の女性も、一括では返済できないお客さんがいて、「ツケが残っている為、夜の仕事が辞められないでいます」といいます。

ツケ払いを払ってもらえない場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか。会社や自宅の場所などがわかっていた場合、直接代金を取りに行く行為は問題ないのでしょうか。小松雅彦弁護士に聞きました。

●ツケ払いは法的に請求ができる

「『ツケ払い』もお客さんのお店に対する飲食料債務です。お店が法人経営なら法人が、個人経営ならその経営者が客さんに対し法的に請求が出来ます」

小松弁護士はそう指摘しています。では代金を支払ってもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。

「貸金業者の取り立てではないので貸金業法の適用はなく、取立時間規制・勤務先訪問禁止は適用されません。しかし取り立て行為が場合によっては不法行為になり、損害賠償を請求されることもありえます。

支払いがない場合、裁判を起こせます。しかし相手の住所が分からないと起こせません。ツケ払いの場合、債権が存在するという証拠がきちんとないことがあります。そして1年の短期時効の問題があります。飲食料債務は飲食をした債権発生日から1年間経過でどんどん時効消滅していきます」

●証拠と時効中断のために請求書を作ろう

泣き寝入りしないために、飲食店側はどう言ったことを気をつければ良いのでしょうか。

「証拠と時効の問題をクリアするために、請求書を作りお客さんに確認してもらい署名を頂くという方法があります。時効を中断させますし、債権が存在している証拠としても使えます。なおこの時効中断後のツケ払い債務は、やはり中断後1年で時効消滅します。ですからこの飲食料債務を、金銭貸借に準じた契約である『準消費貸借』に合意で変えるというやり方もあります。この準消費貸借で時効期間は5年になります」

今年5月には参院本会議で、金銭の支払いに関する契約ルールを定めた民法の規定(債権法)の改正法案が成立しました。

「今年の民法改正で、飲食料債務も5年の時効となることになります。しかし改正法は6月2日公布、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で決める日から施行となります。しかも法施行後の契約から時効の新規定の適用があるので、本件では新規定の適用はありません。時効は1年となります」

利息はつけることができるのでしょうか。

「法定利率による損害金は遅滞になったとき以降は請求出来る建前ですが、いつから発生するかは難しい問題があります」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
小松 雅彦(こまつ・まさひこ)弁護士
後見・相続・遺言を多数取り扱う。「気軽に相談できる、親しみやすい法律家」をモットーに身の回りの相談にも対応している。薬害エイズ事件やハンセン病国賠事件、薬害肝炎事件
なども担当した。
事務所名:多摩オアシス法律事務所
事務所URL:http://komatsu6.com/