アマゾンで スマートフォンの充電用ケーブルとしてmicroUSBケーブルを探すと「3本で◯◯円」などの激安品がプッシュされますよね。かなりの評価数を集めている製品も多いですが、実際のところ性能に差はあるのでしょうか。

そこでアマゾンで評価数の多い4製品でガチ検証して、おすすめ商品をチョイスしてみました。単純な指標のひとつは抵抗値。低いほど充電効率が高く、良いケーブルと判断することができます。シールドなど作りの点もポイントです。

検証|ハンダマスターかしま

Anker の 3本999円

コネクタ部・基板

ケーブル断面

仕様・検証まとめ価格 999円同梱本数 3本型番 B8132016ケーブル仕様 ストレート式用途 充電◯ 通信◯長さ 90cm抵抗値 195.9mΩ電圧降下V(2A) 0.39V電源芯線 0.06mmΦ × 129本シールド 編線+アルミ箔+GND線1総合評価 ★★★★☆

さすがに Anker製ケーブルはしっかりしている。90cmケーブルの抵抗値は 195.9mΩ で問題はない。ケーブル中のシールドは編線+アルミ箔+GND線のフルスペック、コネクタ部金属シールドはスポット溶接加工入りの完全防御となっていた。芯線は 5Vラインだけ 0.06Φ×129本の極太線が使われ、通常黒線ラインで配線される GND線が省略されている。電力線 5Vと GNDの2本は一方が細いと導電のボトルネックとなる。本来ならシールド部と黒の GND線 2ラインとなるところを、黒線を省略して太さを抑えたといったところだろう。今回の検証品中唯一マトモなケーブルだ。ただ、工作精度が今ひとつな感は否めない。

ZNT の 3本6円

コネクタ部・基板

ケーブル断面

仕様・検証まとめ価格 698円同梱本数 3本型番 ZNT-A102ケーブル仕様 ストレート式用途 充電◯ 通信◯長さ 100cm×2、30cm×1抵抗値 182.8mΩ(100cm)電圧降下V(2A) 0.37V電源芯線 0.1mmΦ × 59本シールド 編線+アルミ箔総合評価 ★★★☆☆

このケーブルは、コネクタ部の樹脂封止(透明色)が固く完全に解体することはできなかった。ケーブルにはアルミ箔+編線のシールド線があるが、コネクタ部の金属シールドは無い。抵抗値は 182.8mΩ と良値。1本あたり 230円ちょっとなので、値段相応というところだ。

なお、本製品は現在、同じURLのまま別のケーブルの1本売りに変更されてしまった(型番は ZNT-A102 からZNT-A103 に変更)。ユーザーレビューおよび評価数だけは以前の3本売りケーブルのものが引き継がれている。比較的良品の多いAnker製品も同様だが、アマゾンで販売されている商品はこの手の売り方が多い(新製品でも多くの評価を集めているように見せられる)。前モデルの評価が新モデルに引き継がれていることに気づいているユーザーはどれだけいるのだろうか。

Tronsmart の 3本789円

コネクタ部・基板

ケーブル断面

仕様・検証まとめ価格 789円同梱本数 3本型番 MUPP1ケーブル仕様 ストレート式用途 充電◯ 通信◯長さ 100cm抵抗値 213.5mΩ電圧降下V(2A) 0.43V電源芯線 0.15mmΦ × 26本シールド なし総合評価 ★★☆☆☆

抵抗値は 213.5mΩ と悪くはないが、コネクタ、ケーブル部ともにシールドがまったく無い。芯線総面積が広めにもかかわらず抵抗値が高めなのは、シールドの導通成分がないためということもある。

なお、USBケーブルにおけるシールドは、発生したノイズの外部への輻射(放射)を低減するのが主な役目になる。すぐ隣りに無線局のアンテナが立っているような状況なら信号伝送に障害が起こる可能性があるかもしれないが、USBの信号線はツイストペアという配線構造により、シールド無しでもノイズの影響を受けにくくなっている。

Volutz の 3本789円

コネクタ部・基板

ケーブル断面

仕様・検証まとめ価格 998円同梱本数 3本型番 VCS-E3JPケーブル仕様 ストレート式用途 充電◯ 通信◯長さ 100cm抵抗値 240.5mΩ電圧降下V(2A) 0.48V電源芯線 0.06mmΦ × 64本シールド 編線+アルミ箔総合評価 ★★★☆☆

抵抗値 240.5mΩ は今回の検証品中ではもっとも悪いが、過去に検証したモデルも考慮すると、そんなに悪い値とも言えない。USBコネクタ側には金属シールドが使われているが、micro側コネクタには金属シールドが装備されていない。

総評:Ankerの3本セットを買うのがベスト

今回検証した「アマゾンで販売している3本セットの激安microUSBケーブル」はどれも大きな問題があるわけではないが、やはりAnker製の3本999円『PowerLine』(B8132016)が総合的な完成度が高い。抵抗値は195.9mΩ、シールドはフルスペック。モバイルバッテリーなどを含め、わりと安定した製品を送り出しているメーカーだけある。

▲今回検証したmicroUSBケーブルと過去に検証した製品を抵抗値順に並べたもの。ケーブル長が異なるため抵抗値による優劣の比較をするものではない。あくまでも参考程度に。

検証項目について

主な検証項目:抵抗値

抵抗が低いほど電流が流れやすい。つまり低抵抗のケーブルならば安定して短時間で充電できるわけだ。充電用ケーブルでは重要な指標となる。抵抗値が低ければロスなく電力を供給でき、大容量機器でも安定して急速充電できる。2.0A充電など高電流対応機器が登場しても、ケーブルの抵抗が高ければ、本来のメリットは薄まってしまう。

主な検証項目:2A充電時の電圧降下V

ケーブルの抵抗によって発生する電圧降下。ここでは2A充電時のロスを抵抗値から算出している。

主な検証項目:シールドの有無

通信ケーブルを覆ってノイズを遮断するための機構。充電性能には関係がないが、通信ケーブルとしても使用するならばあったほうがよいだろう。

※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。