花井悠希の朝パン日誌 vol.6
朝にこそとっておきの焼き菓子を…〈サンデーベイクショップ〉と〈ナタ・デ・クリスチアノ〉

ティータイムの焼き菓子もいいですが、朝にいただくのもこれまたいいんです。んー!美味しいっ!!と目を丸くしながら食べるうちにすっかり体も目覚めてきます。

寝ぼけ眼で濃いめのコーヒーや紅茶を用意したら、さぁ、とっておきの朝時間のはじまりはじまり♪

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ホームスイートホーム…〈サンデーベイクショップ〉の焼き菓子

サンデーベイクショップという名前の通り、はじめは日曜日だけオープンしていた、焼き菓子屋さん。今は週に3日オープンしています。せっかくなので日曜日に訪れました。

初台の駅から少し歩いて、あの心解ける香りが鼻を掠めたら、もう「サンデーベイクショップ」が近い合図。アメリカ映画でいつか見たような、西日射しこむキッチンで、おやつの時間に合わせてお菓子が焼き上がる。お母さんがミトンを両手にはめ、大きなオーブンを開けると立ち上る、あまいあまい湯気…。目を閉じれば、そんな甘く幸福なシーンが脳内再生されるような香りが、お店全体を包んでいます。

その中でイートインも出来るから、この日はすももソーダでひと休み。

|すももソーダ|

このすももソーダは、手作りのすももシロップを使ったもので、飲み終わっちゃうのがさみしくなるほど美味しかった。

|白桃のカスタードパイ|

柔らかなフィリングと桃の部分をフォークですくい一口食べると、ふぁぁぁと満たされていくミルキーな甘さ。生まれてまもない赤ちゃんから香る、あの優しいミルクの香りのような、幸せに満ち溢れた味わいが広がります。

白桃の主張は見た目よりも控えめ。あくまでもこのミルキーな優しさに、身を委ね 、一体となっています。コンポートにしないことで、こんなに白桃って馴染むんだなぁと新たな発見でした。白のミルクと白の桃。真っ白なピュアの味。

桃の部分だけを食べると、あの優美な果実感が瑞々しさとともに顔を出します。そしてパイのザクザク感が、この真っ白なテイストに、違う側面から素朴さを与えて、ますますピュアな印象です。繊細なきめ細かなタルト生地もありだけど、それは少しこの優しい味わいには大人っぽすぎる。もっと気取らず味わってほしい。そんなメッセージすら感じます。

ザクザクとこぎみよい音を聞きながら、童心に返って、ホームスイートホームを感じるパイ。

|レモンケーキ|

まず、最高ですよね、上のじゃりり。レモンケーキの一番の楽しみは、やっぱり上のシュガーグレイズ部分だと思うのですが、、、

もれなく甘いため息がこぼれちゃいますよ。この部分の充実感、ずるい。

ついつい上のシュガーグレイズばかり注目しちゃいそうになるけど、土台となるパウンドケーキも負けていません。こぼれ落ちるその粉1粒までも行き届いているレモンの爽やかさといったら。爽やかだけじゃなく、皮の苦味が効かせられていて、大人もおっ?と嬉しい発見があります。小さくカットされた国産レモンの皮が少し散りばめられているので、そこを噛んだ瞬間に苦味がさーっと抜けていくのです。

ほろほろでさらさらで、なめらかな口どけ。じゃりり との対比を楽しんで。

|スコーン|

ザクザク食感のスコーンは、大らかで温もりのあるテイストがしみじみ美味しい。全粒粉の香ばしさが、噛めば噛むほど顔を出し、そのざっくりとした素朴さを後押ししています。

その全粒粉ならではの、小麦まるごとの味わいは、風にふかれ麦穂が黄金色に波打つ画がみえてくるよう。

まずはそのまま。3口目からはDOORS GROCERY のりんごカラメルバターを添えて食べてみました。

絶大な安心感を与えてくれる素朴さに、りんごとバターの最強タッグに加えてカラメルの苦味がじーんと広がる、りんごカラメルバターのしっかりした味わいが、実にナイスコンビネーション!

お気に入りのジャムやコンフィチュール、クロテッドクリームをお供に、一期一会のマリアージュを楽しんでみてください♪

味わう異国情緒・・・〈ナタ・デ・クリスチアノ〉のポルトガル菓子

|「ケイジャーダ・デ・シントラ」と「パステル・デ・ナタ(玉子タルト)」|

〈ナタ・デ・クリスチアノ〉は、ポルトガル菓子専門店。近くにあるポルトガル料理の〈クリスチアノ〉の姉妹店です。ポルトガル菓子と聞くと、いまいち馴染みのない感じがしますが、「エッグタルト」と聞けば、好きって人も多いはず!こちらのエッグタルト、その場で焼きたてを買って、パクリと外で頬張るのも最高なのですが、お家に持って帰っても、美味しい食べ方の書かれた包装紙に沿ってリベイクすれば、翌朝もとっても美味しく頂けるのです。

|パステル・デ・ナタ(玉子タルト)」|

サックサクでハラハラと舞い落ちるパイ生地を決壊させたら、トロリ、プリリンとカスタードクリームゾーンが、口福を畳み掛けてきます。しっかりつけられた焼き目がね、またそそるんです。生のカスタードクリームとは、やはり違う。フルフルとした、エッグタルトでしか実現できないであろう食感はぜひ体験してほしいです。もうね、このエッグタルトが苦手な人っていないんじゃないかと私思ってます。笑

そしてこちら、手土産に持っていけば、気分はヒーロー!箱をオープンさせてみると、お行儀よく並べられたエッグタルトの、黄色の眩しさに、黄色い歓声(エッグタルトなだけに)をもれなく頂戴できますよ。

|ケイジャーダ・デ・シントラ|

こちらはポルトガル菓子のチーズタルト。中に粒々とした牛乳のチーズがたくさん散りばめられています。揚げ餃子のようなパリッとしたタルト部分が、面白い。内側はしっとり重めの質感で、甘さもしっかりしています。チーズの香りよりも前に出てくるのは、濃厚なスパイスの香りと味わい。チーズの粒々を選んで口に運ぶと、チーズのコクもちゃんといます。外側のタルトの食感も、内側のしっかりしたスパイス感も、どこかオリエンタルな顔つき。日本のチーズタルトのイメージとは全く異なる、異国情緒たっぷりなお菓子です。

|パポシュ・デ・アンジョ(天使ののどぼとけ)|

まさに箱入り娘!お持ち帰りの時、エッグタルト等は1つ1つ紙袋に入れて下さるのですが、この子は1つ1つプラスチック容器に入れて下さるのです。別格の待遇でのお持ち帰りスタイルに期待が高まります。いざ、プラスチック容器から出してみると、その特別待遇のワケがすぐにわかることとなります。わたあめのように軽く、心許ないほど繊細でふんわり。

その濃い黄色のふわふわした姿はまるでひよこのようです。そっと大切に手の平にのせたくなる。手の平にのせ、お口に運ぶと(ひよこと言ったばかりですが)、期待を裏切らない空気をたっぷり含んだ繊細な食感と、サンドされている卵黄クリームのねっとりした甘みを楽しむことができます。

一時期流行った半熟カステラに少し似ています。マシュマロよりもほわほわなこの子は、「天使ののどぼとけ」と日本名がついているのも納得。ラファエロの絵画に出てくる天使を思い出してしまいました。オレンジソースも添えられていますが、私はそのままで卵黄の美味しさをダイレクトに感じながら食べるのがおすすめです♪

慌ただしい朝、少しだけ早起きをして、美味しい焼き菓子とともに贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?