運動会の様子

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小学校に入ると体育の授業もスタートし、子どもによる運動能力の差がはっきり表れる。体育の成績はもちろん、運動会やマラソン大会でいいところを見せたいと思うのは、親子の共通の想いだろう。

●技術や機能的な運動より重要なのは、子どもをほめる“ホメササイズ”!

9歳から12歳は「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、成長期で運動能力が大きく伸びるといわれる。その重要な時期にどんなトレーニングをすることで、子どもの運動能力が伸びるのだろうか?

「この時期に重要なのは機能を教えるトレーニングです。人間本来の運動能力について、幼児期は遊びながらやっていたものをもう少しシステマティックにやることを意識したほうがいいですね」

こう語るのは、子どもの運動神経を伸ばすためのトレーニングを開催する、パーソナルトレーナーの日野原大輔さん。では具体的に技術面はどう伸ばせばいいのだろうかか?

「トレーナー目線でいえば、早く走りたいなら正しいフォームを身につけること。そのためにはプロから教わったり、本やDVDなどを参考に早く走れるフォームを親子で研究するのがいいと思います。でもそれよりも親として一番大切なのは、通称“ホメササイズ”。大人がいかにいい状態になれるほめ方ができるかがむしろ重要なのです」(日野原さん 下同)

●子どもの運動嫌いは親の責任の可能性も?

子どもの運動神経が良くなるために必要な“ホメササイズ”。具体的に親はどんなことをすればいいのか?

「僕はずっと子どもの運動神経を伸ばすためのトレーニング教室を開催していますが、参加している親御さんのなかには、周りよりも難易度の高いことを子どもにやらせたがる人が少なくありません。でもそれってほとんどの場合『うちの子はスゴイ!』と思いたい親のエゴなんです。難易度の高いことは当然できないことが多く、親はガッカリします。そうなるとお子さんも期待に応えられないことに落ち込み、次第に運動が嫌いになってしまうのです」

子どもが難しい運動をできないのは当たり前。それをガッカリするのは論外として、できなくても「惜しい!」「頑張れ!」と励ますのも、オススメしないという。

「できなくても『オッケー!』『すごい!』と盛り上げると、子どもの自己肯定感はどんどん上がっていきます。そうなると疲れも感じにくくなるんです」

●親が「うちの子は運動ができない」と決めてはダメ!

スポーツができない子どもに「もっと頑張ってほしい」「なんでこんなこともできないの?」と思うのも親心ゆえだが、それを口に出してしまうのは、運動に関しては逆効果。さらに日野原さんは「この年齢だからこそ、親が子どもを『うちの子はできない』と決めないでほしいです」と訴える。

「足が遅くてかけっこでビリになると、子どもはもちろんママの自己肯定感もどんどん落ちていきます。そうではなく、例えばできる子のママに『どうしたら●●ちゃんみたいに、うちの子も運動が得意になるのかな?』と、話を聞いてみてはどうでしょうか。子どもに変わってほしいなら、ママも一緒に変わる必要があると思いますよ」

親の期待やエゴを敏感に感じる多感な時期だからこそ、親は技術よりも“ホメササイズ”で子どもの自己肯定感を高めることが重要。子どもの運動神経が苦手ならばなおさら、親はそのことを意識したほうがよさそうだ。

(取材・文:高山惠 編集:ノオト)

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