FC東京における大久保の可能性に安間監督が持論を展開した。写真:田中研治

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[J1リーグ26節]FC東京1-0仙台/9月16日/味スタ
 
 安間貴義新体制の初陣を飾ったFC東京だが、監督交代で変更点があった。
 
 これまで、中盤に降りてくることはありつつも、基本的には最前線に君臨していた大久保嘉人。だが、この日はスタートポジションからはっきりと、1トップの永井謙佑の後ろに立ちシャドーとしてプレーしていた。
 
 川崎時代に3年連続の得点王(13〜15年)に輝いた実績を持つだけに、このストライカーが中盤でプレーしたとしても「怖くない」など様々な意見がある。それにもかかわらず、何故このようなポジションの微修正をしたのか。安間監督は大久保のあるプレーを引き合いに出して説明した。
 
 そのプレーとは後半開始直後。チャン・ヒョンスからの縦パスを受けた大久保が、ダイレクトで永井にスルーパスを送る。しかし、結局はふたりの呼吸が合わず、ボールが流れたシーンだ。
 
 これに対して指揮官は「決定的なパスを出しても周りが反応していない」とした。さらに、「最後のクオリティは…正直、ヨシトしかラストパスを通せない」と背番号13のチャンスメイク能力を評価する。
 
 その言葉からは完全に大久保を“MF”と見なしているが、安間監督は違う。これまでの分析から持論を展開した。
 
「相手の最終ラインに圧力をかけてくれと、以前はヨシトに要望があった。でも、そこでマークをされ、中盤に崩せる選手もいない。だから、最前線にボールが入る前に失ったり、ロングボールで競り負けて相手ボールになっていた。なかなかゲームにならなかったから、まずは中盤を整備した。そこでヨシトが中盤に落ちるのを認めた。一度下がってから前に出てマークを外すのが得意だから、そこから得点に入って行ければいい」
 
「ポジションの名前とかあまり言わないです」という戦術家にとって、大久保が”MF”か”FW”かは議論の対象ではない。むしろ、得点もアシストも、両方を求めているようだ。また、「彼にはもっとやってほしいことがたくさんあります」と、その要求は尽きない。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)