地震等の自然災害でお墓が壊れたらどうなるか専門家に聞いてみた

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豪雨や地震など、様々な自然災害が多い日本。自宅などの建物に大きな被害が出た場合、国等の公的機関から税金の減免を始めとした援助制度が設けられている。2016年12月4日付けの「教えて!goo」では「知らないだけで損をする 自然災害が起こった時の相続税と贈与税」と題して自然災害で壊れたお墓について、税金の面から専門家にアドバイスをいただいた。

では、地震などの災害で壊れにくいお墓を作ることはできないだろうか?「教えてgoo」では「地震でよくお墓が倒れますが、これって」と題して質問が寄せられている。

■お墓は建築基準法の建築物に該当するのか?

質問者は、地震の際に壊れたお墓を見て、建物の耐震基準を定めた建築基準法に照らしてどうなのか?さらに、耐震性を持ったお墓を建てた場合の費用についても聞いている。早速、この質問に対する回答を見てみよう。

「建築基準法上、お墓は建築物扱いにはなりません。したがって、少なくとも建築基準法で規定することはできないと思います。…(中略)何でもそうなのですが、物をつくる際には費用対効果という考えがあって、何十年に一度の地震のために高いお金をかけるよりは、壊れたら直すという方が安上がりだと判断できるのではないでしょうか?…(中略)
墓石は重量があるので、ちょっとした地震では簡単に倒れませんしね」(ochiyan707さん)

「もともとお墓は接着剤もセメントもない時代からあって、単に石を組んで積んであるだけのものでした。ただ、それなりに重いので弱い地震では倒れません。…(中略)建築物でなく、またふだんは付近に人があまりいないと思われるので特に耐震基準はないのでしょうし、基準を作っても既存の物には適用されません。…(中略)石碑や石像なんかも基準はないと思いますが、道路に面したようなやつはそれなりに頑丈に作ってほしいですね」(metalicさん)

お墓は、人が居住するわけではないため建築基準法範囲外であるという回答があった。また、元々重量のある石材で構築されているため、そう簡単には倒れないという回答もあった。

■お墓を建てる場所選びも重要。保険も考慮すると尚可。

では、実際に、お墓が倒壊してしまった場合や、災害に強いお墓を作るには、どうしたらいいのだろう? 「心に残る家族葬」というWEBサービスを運営する葬儀アドバイザーにお話を伺ってみた。

「自然災害でお墓が倒壊した場合、基本的に墓地の管理者は責任を負いません。土地を所有しているのは墓地の管理者ですが、お墓それ自体を所有しているのは建立された方達となります。墓石に何か損失が出たときにはその所有者が負担をしなければいけません」

管理者は、あくまでもお墓を建てる場所を提供し、環境を管理するだけであり、他の問題については責任を負わないということだ。マンションの管理と所有に状況が似ているのかもしれない。

「お墓が倒壊した際、最初に注意したいのが、災害直後にお墓に行くときの二次災害でしょう。地震であったら余震、豪雨であったら土砂崩れ等です。自分達が被害にあっては元も子もありません。お墓の被害状況を見て、墓石にヒビやズレを発見したときには触らないようにして下さい。墓石は見た目以上に重量のある石が使われていますので、むやみに触って自身が怪我をしてしまわないようご注意下さい。被害状況が確認できたら、なるべく早くお墓を購入した石材店などに連絡をしましょう。お墓は高価なものでもあり、被害の状況によってその費用は大きく変わってしまいます。修繕方法も石材によって異なりますので、まず見積もってもらうと良いと思います」

なるほど、お墓に何かあった時に慌てないよう、石材店や霊園の連絡先も日頃から把握しておいた方が良いだろう。

「また災害に強いお墓にするためには、最初にお墓を建てる土地選びが関わってくると思います。特に地震に対しては、少し面倒かもしれませんが、地層や地盤の状況を調べることが有効でしょう。水害ならば近くに氾濫しやすい河川の有無、土砂崩れを起こしそうな山の斜面等、事前に確認してから墓地の購入を検討することをお勧めします。お墓自体の耐震・免震工事も結構ですが費用が嵩みます。何よりも土地がしっかりしていないことには意味がありません」

お墓にも土地選びが最も重要ということだ。この土地選びは、国交省が作成し、インターネットで開示しているハザードマップが役に立つ。お墓を建てたい場所を選択すれば、その土地が安全かどうかを調べられるのだ。

「自然災害が起こったときに備えてのお墓用の保険も存在します。これは地震や火山噴火等、一通りの自然災害が補償の範囲となります。自然災害が原因で墓石が倒壊してしまったり、何らかの損害があった場合に墓石の修復費用、再購入費用を補償してもらえます。この保険は、東日本大震災以降に注目を集めるようになりました。災害に備えるならこの保険について検討してみるのも良いかもしれませんね」

これからお墓を建てる場合には、土地選びのほうが重要。また、既にお墓を建てている場合は、万が一の被災時に補償される損害保険に加入するのも有効な策ではないだろうか。

「最後になりますが、地震大国とも言われる日本では、いつどこでどんな自然災害が起こるか分かりません。そんなときに心配事を増やさないためにも、自然災害による被害を想定したお墓の設計、防災をしっかりと考えておいた方がいいでしょう。ご先祖様が心穏やかに眠れるように、今回紹介した災害の対処や防災法をもう一度確認して、自分の家のお墓は大丈夫か、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか

お墓をこれから建てる場合も、既に建てている場合も、自然災害に強いお墓を目指す。その際には、インターネットなど様々な情報源を駆使するのは基本だが、最終的には専門家と相談し、自分達に最適な解決策をアドバイスしてもらうのも考えてみよう。

専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー

故人の家族と生前に親しかった方だけで行う家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安な家族葬を全国で執り行っている。

ライター 与太郎

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)