錦戸亮、『ウチの夫は仕事ができない』最終回で出した答え 選んだのは仕事か、家庭か?

写真拡大

 「僕は仕事ができません。理想とは程遠い夫です」、司(錦戸亮)の情けない告白から幕を開けた『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)。第10話で最終話を迎え、司は沙也加(松岡茉優)に再び「僕は仕事ができません」と告げる。彼が胸を張って言ったその言葉は、第1話の頃とは意味合いが違う。仕事と家庭の両立。男性が直面するその問題に、『ウチの夫は仕事ができない』は一つの答えを提示する。

(参考: 松岡茉優が語る、夫婦の温かさ 『ウチの夫は仕事ができない』インタビュー

 沙也加の出産予定日に向けて、司は家族を優先しようと出産予定日の前後で休みを取っていた。「仕事を優先してほしい」という沙也加の思いを知った頃、司の元に予定日より早い破水の知らせが届く。上司である土方(佐藤隆太)の「仕事は人に振れ」という後押しもあり、子供の産まれてくる瞬間は見届けることができなかったものの、司は我が子の顔をすぐに見ることができた。それからというもの、司は子供を沐浴させに昼休みに帰宅するほどのイクメンに。子育てに励む司であったが、その代償に振った仕事の成果が他の社員へ移っていったことを、沙也加、そして同じく父親になる土方も悩んでいた。

 「もっと仕事がしたいのではないか」、沙也加が思い悩むところに司は自分が担当する企画「男ってつらいよ」の講座を彼女に聞いてほしいと話す。先生がトラブルで来れなくなり、講座は司が参加者へ代弁することとなる。およそ12分間によるシーンの中で、彼は思いの丈を全てぶつける。

 仕事と家庭の板挟み。仕事を振ることになる育休は、果たして家族のためになるのか。人によっては存在意義を感じられる場として仕事があり、人生のために仕事をする人もいる。けれど、司にとって仕事よりも大切なもの、それが家族だった。司が子供と日々を過ごす中で感じたのが、「子を育てることは未来を育てること」だった。「僕は仕事ができません」。司は沙也加にそう告げる。沙也加にとって司は頼もしい最高のパートナーだ。“講義”という名目ではあるが、司なりの思いの丈を込めた、12分間のラブレターでもあった。人それぞれに仕事と家族の価値はきっと違う。けれど、改めて自分にとっての幸せとは何かを考えさせる、そんな司のスピーチであったように思う。

 ドラマの終盤、司の後輩である田所(薮宏太)と、司の姉のみどり(江口のりこ)が結婚し、式を挙げる。これまで沙也加や田所の妄想として演じられていた「輝くshineの歌」がついに現実のものに。オールキャストで歌い踊るその様は大団円に相応しく、また様々な人たちの門出を祝う演出だ。そしてラストは、沙也加の作ったお弁当を笑顔で頬張る司の姿で幕を閉じる。二人にとってお弁当は、共に頑張っていることを実感できる活力であり、コミュニケーションのツールの一つ。いつまでも続いていく、司と沙也加の温かく思いやりに満ちた家族生活が見える、そんなラストだった。

(渡辺彰浩)