今や社会人の2人に1人が転職している時代。総務省の労働力調査でも2016年の転職者数は306万人。7年ぶりに300万人台の大台に上がったとニュースになり、これからも転職人口は増加が予測される。

そこでSuits WOMAN編集部では、いい転職をした女性と、悪い転職をした女性にお話を伺い、その差は何かを語っていただきました。

今回の転職者・青木陽子さん(仮名・38歳・埼玉県出身)

転職回数……1回(コンサルティング会社→零細企業)
転職した年齢……35歳
年収の変化……1500万円→300万円
学歴……東京都内中堅大学卒業
容姿……芸人・大久保佳代子さん似

 

■中堅大学出身で、外資系コンサルティング会社に異例の新卒採用

「60社受けて、60社落ちた就活時、ダメ元で受けた外資系コンサルティング会社に採用されました。一浪しているから23歳から35歳で転職するまでの12年間務めたことになります。日帰りで台湾や沖縄に出張するなど、とにかくハードでしたけれど、仕事は面白かったですね。

コンサルティングってそれまでは、颯爽とファイルを抱えて相手の企業に行って、指示を出すような仕事だと思っていましたが、実際は全然違いました。地を這うように営業し、気が遠くなるような時間をヒアリングに費やし、マーケティングをする。有名大学を卒業した同期が、MBAのため海外留学したり、条件がいい会社に転職していくことを横で見ながら、床を舐めるような12年間を過ごしました」

■30代を超え、年収1000万円……血尿が出たことも

「年収は増え続け、30歳で1000万円を超えていました。もっともらえる会社もあることは知っていたけれど、私はこの会社に入れてもらって御の字だと思っていた。人並み以上に食べられるし、高望みしない、社会的な信用もありますからね。

32歳くらいのときに、私の採用担当官だった役員に新卒時に私を採った理由を聞いたら、“ネイティブ英語がけっこう喋れるし、健康で強そうだったから”って(笑)。うすうすと感づいてはいたけれど、どの会社も貴族(経営陣)と、召使い(一般社員)で回っているんだなと感じました。私は人並み以上の給料で、10万円のバッグをポンと買えて、都心に4100万円の中古マンションも買って、天狗になっていたけど、きっとすっごい搾取されているんだなと」

 ”おじさんの正義”が中心の会社で、生理が止まっても、ノルマ優先!

■生理が止まっても、売上ノルマ優先!働いていると実感

「私やチームが徹夜で働いて1人当たり年間1億円などの売り上げノルマを達成し、チームのみんなが血尿出し、私は生理が止まりながらまとめた報告書で、経営陣は大きなインカムを得ている。

まあ、彼らの人脈やサポートがあるから会社も回っているんですけどね。それに、やはり仕事は楽しい。命を燃やし、全力で働いている実感がありました。でも、年収500万円だったらやりませんでしたね。年収1000万円以上、福利厚生も充実、好条件の住宅ローンが組め、財形制度もあり、ほかにもさまざまな社員ならではの優遇があった。さらには経営陣が社員を大切にしていたのが伝わった。だから楽しいと思えたのでしょう。今思えば、よく働く馬を、飼い主が大切にするのと似ていたような気もしますが(笑)」

 ■東日本大震災で「会社にいいように使われる人生」を考え直す

「東日本大震災のときは31歳だったかな……あのときにチラッと転職の影がよぎったのは。でも、仕事で海外のカンファレンスに参加し、名だたる企業の経営者に会い、彼らのビジネスの悩みを直接聞けるというのはホントに貴重だったから、会社に踏みとどまりました。

結果的に転職したのですが、何かきっかけがあったというよりは、いろんな要素が重なったということ。中でも大きかったのは、健康問題でしょうか。無理をすると体を壊すというのが本当なんだな……と痛感することがいろいろありましたね」

売上ノルマをチーム一丸で達成するという生活は、性格に合っており、プライドがなかったことがよかったと当時を振り返る。

 年収1500万円から、転職後は300万円へ……その選択をした理由とは?〜その2〜に続きます