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TVR T400R(2000〜2004年)

後に登場する市販モデルにもタスカンの名は与えられたが、これをベースにしたレース仕様のT400Rが2000〜2004年頃に製作された。製造台数は7台とされる。2001〜2005年にはル・マンに参戦。写真は、2004年にサルテ・サーキットで撮影されたものだ。

TVRグリフィス(1991〜2002年)

グレートなルックス、シンプルで愉快なドライビングのグリフィス。現在でもしっかりメンテナンスされてさえいれば、TVRの社史だけでなく、英国のスポーツカーの歴史においても屈指の傑作であることが実感できるはずだ。5.0ℓバージョンなら、0-97km/hは4.1秒だが、それ以外でも5秒以下で、最高速度は240km/hを超える。そして、何より素晴らしいのはエンジン音。価格は安くても£18,000(271万円)ほどだが、それを支払うだけの価値はある。

TVRキミーラ(1992〜2003年)

最も合理的で分別あるTVRをお探しなら、この奇妙な名前のロードスターが理想に最も近いモデルだろう。ランニングギヤはほぼグリフィスと変わらないが、ボディの全長が拡大され、大容量のトランクが備わる。エンジンはV8で、4.0ℓをベースに、4.3 ℓ/4.5 ℓ/5.0 ℓも設定された。

比較的低価格で推移してきたが、その分メンテナンスが行き届いていない個体も多く、艶やかなGFRPボディの下に思わぬ怪物が潜んでいる可能性もあるので、購入時にはシャシーの腐食やサスペンションの状態なども念入りにチェックしたい。

できれば、専門店での整備履歴がしっかりしたものを選びたいところだ。生産台数が多かったこともあり、程度のいいものでも£12,500(188万円)程度から探せるが、最近では価格が上がる傾向にある。

TVRサーブラウ(1996〜2003年)

TVRを買おうというだけでもなかなかの強者だが、このサーブラウを選ぶのはその中でも極めつけの猛者だといえる。市場における信用を確立するために、TVRは長年使い続けてきた、頑丈でパワフル、しかも甘美なサウンドを奏でるローバーV8を捨てた。そうして、エキセントリックなエンジニアであるアル・メリングに依頼し、自社製V8を開発。本来はタスカン・レーサー用だったそのAJP8を搭載した市販モデルが、このサーブラウだ。

スピード8とも呼ばれたそれは、そもそもレース用に設計されたため、パワフルだがピーキーなエンジンだった。当初は4.2ℓ、後に4.5ℓが加わったAJP8は、サーブラウに並外れたパフォーマンスを与えたが、ローバーV8ほど公道走行に向いているかどうかは疑わしいところだ。しかし、それを別にすればまさにグレートな一台である。4.0ℓ直6搭載モデルも追加設定されたが、V8の方が一般的。価格は£16,000(241万円)からといったところだが、金額はコンディションによる上下が大きい。

TVRサーブラウ・スピード12(1997)

自社製直6のスピード6をベースに、オリジナルのV12を完成させたTVR。それを搭載する車輛は、サーブラウをもとに造り上げられた。当初はレースカーと市販バージョンを並行して開発。レース仕様は英国GT選手権に参戦し、幾度か勝利を収める活躍を見せた。

しかしピーター・ウィラーは、1トンそこそこで800psオーバー、しかも電子制御アシストの類を一切持たないこのクルマが、ロードカーとしては危険すぎると判断し、市販計画を中止。たった1台だけ、プロトタイプが個人オーナーの手に渡ったが、それは今やとても値の付けられない貴重なクルマだ。

TVRタモーラ(2002〜2006年)

なんとも愛らしい響きの車名は、シェイクスピアの作品に登場する女王から取ったのだとか。旧TVR終盤のモデルだが、いまいち影の薄いクルマに思える。だいぶおとなしいスタイリングは、同時期のタスカンで攻めすぎた反動、といったところか。エンジンは355psの自社製直6で、車重はフォード・フィエスタのディーゼルモデルより軽い。そのパフォーマンスは文句なし。問題はルックスだ。グリフィスにも似たフロントはまだいいのだが…。

もっと奇妙な形をしたリヤビューは、デザイナーたちが気を抜いたかのようだ。しかし、走りに関しては、この頃のTVRのベストではないかと思える。それは賢明なチューニングが施されたサスペンションと、パワーとシャシー性能の好バランスによるものだ。現在の相場は£19,000(286万円)から。

TVR T350(2002〜2006年)

固定ルーフのT350Cとルーフパネル脱着式のT350Tは、タモーラのクーペ版といった成り立ちのクルマ。車重は1187kgと軽量ながら、355psのスピード6を搭載し、0-97km/hは4.4秒をマークする。2003年に試乗した時は、そのエッジの利いたハンドリングを称賛しつつも、しっかり運転に集中することが必要だという点を強調したものだ。現在は価格が上昇傾向にあり、少なくとも£25,000(377万円)は用意しないと手に入らない。

TVRサガリス(2005〜2008年)

破綻前、最後のニューモデルとなったサガリスは、これこそベストTVRとの呼び声高いモデルだ。しかし、それは何をもってTVRのベストを決めるのか、個人の定義に左右されるところが大きい。

サガリスのルックスは、市販TVRで最も熱狂的かもしれない。搭載するのはスピード6の400ps仕様で、0-97km/hは3.7秒、最高速度は298km/hと問答無用の速さを誇る。ベースとなっているのはT350だが、それは登場時、ブレのない走りと、優れた快適性を好ましく思ったクルマだ。

ところが、新車時のエンジンは、既にトラブルシューティングしきっていてもおかしくない運用実績を持ちながら、なぜかひどく信頼性に欠けるものだった。いささか難解だが妥協はなく、いつも興味のそそられるクルマではあるが、いざ手に入れようとすると壁が立ちはだかる。絶対的な販売台数の少なさ、そして、それを受けての高値傾向だ。程度のいい個体を手に入れるなら、最低でも£50,000(754万円)の出費をみておかなくてはいけない。

新生TVR

そして今、TVRは蘇った。もちろん、新型グリフィスが発表されたばかりで、購入どころか試乗すらしてはいないが、英国の至宝が再び輝きを放ちだしたことを喜び、その新たな道のりの幸運を祈りたい。