日本人にしてみれば見慣れた光景も、海外からくる観光客には物珍しくて仕方ないものがあります。たとえば「ラブホテル」、これも立派な日本固有のカルチャー。

ヨーロッパ圏ではもちろん、同じアジア地域でもほとんど目にする機会がなく、訪日し初めてラブホテルを目にする外国人たちは、絢爛豪華な見た目と、アミューズメントパークのような凝ったつくりに感動するんだとか。

さて、そんなラブホが中国でも昨年来ブームの兆し。観光局も、今後大きな成長が見込まれる分野、と。その先駆けとして、古代中国のラブストーリー『白蛇伝説』の舞台となった、杭州・西湖に最新ラブホテル「Mylines Hotel」がオープンし話題となっています。

コンセプトは、感情と欲望

現在、中国には300〜500軒のラブホテルが存在するそうですが、従来のラブホはとにかく雰囲気が派手。さらに陽気なのが特徴で、あまりセックスに対しての雰囲気づくりには向いていないものが多かったようです。

そこで、愛し合う2人の気分を高揚させる、セクシーでロマンチックなデザインのラブホテルを、というコンセプトから、中国最大の大人の玩具専門店Chun Shui Tangと、デザインスタジオであるLYCSアーキテクチャーが協力し、コンセプチュアルなラブホテルを作り上げました。

「Mylines Hotel」には33部屋が準備されていて、各部屋は人間の感情や欲望をコンセプトにデザインされているそうです。音響や照明などが幻想的な雰囲気を盛り上げ、人の心を高揚させる環境が宿泊客の胸の奥に眠る欲望を呼び覚ますようです。

Room01:
【ナルシシズム】

実際に部屋をいくつか紹介しましょう。この部屋のコンセプトは「ナルシシズム」。自己愛ですね。

鏡張りになった壁が、欲望をあらわにした自分自身を映し出します。現実感や平衡感覚を失うつくりは、まるでミラーハウスのよう。自分の肌に触れるものの感覚がいつもより鮮明になることでしょう。

Room02:
【長く秘められた欲望】

相手をひとりで想う時間。孤独に苛まれる時間。

恋愛において、待つということは必ずしも悪いことではありません。ひとりの時間が愛を育み、内なる欲望を膨らませるからです。そんな静かな情熱を表したのがこの「長く秘められた欲望」の部屋。

ひとりずつに設置されたシャワールームや廊下など、相手の姿が見えない時間を過ごすことで、寝室に入るまでのドキドキ感を演出します。

Room03:
【暴露】

 こちらは「暴露」というコンセプトにふさわしいガラス張りの部屋。

プライバシーを保障する設計になっていると言われても…これじゃ外から丸見え!?という緊張感がありますよね。そのスリルを最大限演出するため、部屋の中心にはバスタブが置かれ、ベッドやソファなどの家具は、すべて窓際に配置されています。

Room04:
【ファンタジー】

非現実的な空間「ファンタジー」。

真っ白な床や天井、ガラス張りのシャワールームなどが日常生活と離れた環境を演出します。ラブホテルの醍醐味はなんと言っても普通のホテルとは一線を画した「特別感」ですよね。

宿泊場所にもワクワクや驚きがあってほしい、普通のホテルでは物足りないというカップルでも、「Mylines Hotel」は満足できそう。中国の最先端ラブホ事情、海外旅行に行くにあたって知っておいて損はないかも。

Licensed material used with permission by LYCS Architecture