瑛太ら、徳川埋蔵金を発掘!? 『ハロー張りネズミ』最終回でも“全部のせ”の面白さ健在

写真拡大

 徳川埋蔵金といえば、89年から放送されたTBSのバラエティ番組「ギミア・ぶれいく」で、何度も発掘が試みられた人気企画だ。もちろん発見することができないまま番組は終了。それから25年、あらゆる番組で何度も同じような発掘企画が作られている、いわば最も歴史ある都市伝説のひとつが、こうしてテレビドラマとして蘇った。

参考:瑛太たちが本物のヒーローに? 『ハロー張りネズミ』最終回へのフラグが立った第9話

 金にならない依頼ばかりで、家賃を払えずに裁判所から退去命令が出された「あかつか探偵事務所」の面々。解散の危機に陥る彼らに舞い込んできた、徳川埋蔵金発掘の依頼。15日に放送された、TBS系列金曜ドラマ『ハロー張りネズミ』の最終回は、一攫千金のチャンスに五郎(瑛太)とグレ(森田剛)、蘭子(深田恭子)とかおる(山口智子)、事務所のメンバー総動員で挑む。

 “探偵ドラマ”という言葉からイメージできる、ハードボイルドでミステリアスな雰囲気にこだわることなく、「人情とお節介」をモットーに様々な依頼に答えていく便利屋スタイルを貫いてきたこのドラマ。今回の依頼人・権田(柄本時生)が、第1話で登場した川田(伊藤淳史)の友人という巧妙なリンクが貼られたことで、最初のエピソードが単なるキャラクター紹介ではなかったと同時に、彼らのしてきた仕事に意味が生まれたのである。

 そんな本作のフィナーレは、群馬の旧家を舞台にした、まるで“リアル脱出ゲーム”のような謎解きミステリー。「File2 蘭子という女」で死の真相を暴き出した以上の“推理力”を駆使し、埋蔵金の手がかりとなる暗号を解き明かす五郎。最後の最後で、ドラマに出てくる探偵らしい顔を見せるのだ。しかも、五郎の頭の中で繰り広げられる推理の流れを可視化させて見せるあたり、ドラマとしての醍醐味を味わわせてくれる。

 何だか怪しげな村人たちが邪魔に入ったり、蘭子が依頼人からプロポーズされたり、突然オカルト展開が現れたりと、最後の最後まで“全部のせ”の面白さは健在。そして、ついにTBSが30年かけても見つけられなかった埋蔵金を見つけたその場面は、ドラマだとわかっていても夢に溢れている。そのあとの展開も、もはやお約束通りで一安心といったところだ。

 結末には、本作で主題歌「ユメマカセ」を歌うSOIL&“PIMP”SESSIONS feat. Yojiro Nodaから、RADWIMPSの野田洋次郎がゲスト出演し、「最終回だと聞いたので、歌いに来ました」と突然歌い出す。ドラマの壁を一気に取り払う、振り切ったシュールさが実に潔く、すごく綺麗な終わらせ方なのではないだろうか。(フジテレビ系の火曜ドラマ『僕たちがやりました』でも、主題歌を歌うDISH//がカメオ出演したように、今後主題歌を務めるアーティストの出演がますます主流になっていくことだろう)。

 『ハロー張りネズミ』の原作は、単行本では全24巻。エピソードにしたら200を超える。今回のドラマで描かれたエピソードの数はたったの8つ。となれば、まだまだ実写で描けるエピソードはたくさん残されているはずだ。視聴率的には低めでも、現代ではそれはひとつの指標でしかない。本作の娯楽性の高さが、今後語り継がれていけば、シリーズ化や映画化も充分期待できる。

■久保田和馬映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。