<音声認識AIアシスタント開発で競う大手2社が連携。アマゾンとマイクロソフトのコラボで可能になることは>

人工知能(AI)の進化の波は、企業間の壁まで乗り越えるらしい。アマゾン・ドットコムとマイクロソフトは8月末、双方の音声認識AIアシスタントを接続し、連携させることを発表した。開発でしのぎを削る大手2社の連携は異例のことだ。

間もなく、アマゾンの「アレクサ」とマイクロソフトの「コルタナ」はどちらも、アマゾンの音声認識スピーカー「アマゾン・エコー」で使用できるようになる。「アレクサ」と呼び掛けてAIアシスタントを起動させていたエコーのユーザーは、「アレクサ、オープン・コルタナ」と言うだけでコルタナを呼び出せる。

同様にウィンドウズ10のユーザーは、「コルタナ、オープン・アレクサ」と話し掛ければアマゾンで買い物もできる。さらに双方のユーザーは、外部開発者がアレクサに提供する合計2万以上もの機能が利用可能になる。

アマゾンとマイクロソフトは今年中に接続を開始する予定。コルタナ経由でアレクサを利用することはウィンドウズ10のパソコンで一足先に実現し、その後にアンドロイドやiOSの機器でも対応。コルタナは、アレクサ搭載のあらゆるアマゾンの機器から利用できるようになる。

非常に珍しい大手2社のコラボだが、ニューヨーク・タイムズ紙は両社が16年5月から水面下で連携を探っていたと報じた。

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アマゾンのジェフ・ベゾスCEOはインタビューで、人々は可能な限り、多岐にわたるAIアシスタントにアクセスできるようになるべきだとの信念を語った。「世界は広く、多面的だ。今後は異なるデータセットや専門分野に接続する多種多様なAIエージェントが存在することになるだろう。それらをまとめ上げれば相互に補完し合い、より豊かで役立つ体験をユーザーに提供できる」。

コルタナとアレクサにはそれぞれ特徴があり、接続は相互に有益になるとの考えで、ベゾスもマイクロソフトのサトヤ・ナデラCEOも一致する。例えばコルタナは、アウトルックやカレンダーアプリとの一体化が進んでいる。アレクサは家庭用娯楽機器の機能が強みだ。「どちらも個性と専門性が強いため、相互作用によって多彩な機能を利用できる」とナデラは言う。「その点に私もベゾスも共鳴し、協業につながった」

AIアシスタントの開発レースは激化の一途だ。アップルはSiri(シリ)搭載のスピーカー「ホームポッド」を年内に発売予定。グーグルのグーグル・アシスタントはスマートフォンや家庭用スピーカー「グーグル・ホーム」で利用できる。

アマゾンとマイクロソフトがコラボした今、アップルとグーグルも加わることになるのだろうか? 現時点ではほぼあり得ないだろう。シリとグーグル・アシスタントはそれぞれの社が独占するモバイルOS、iOSとアンドロイドに深く結び付いているからだ。

それでもナデラは、彼らが参加したいと決めれば歓迎するという。AIで垣根を取り払おうとの決意は確からしい。

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[2017.9.19号掲載]

ケン・マンバート・サルシド