関脇・御嶽海にとっては大チャンス(写真:時事通信フォト)

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 3横綱に続いて大関・高安も負傷欠場。小兵の大人気力士・宇良(前頭4)まで休場に追い込まれた。秋場所では人気者から順に姿を消していく“負の連鎖”が起こっている──。

 2日目の取組で宇良は右ひざを負傷、高安は右太ももの肉離れを起こした。2人とも車椅子で国技館内の診療所に運ばれ、翌日から休場を余儀なくされた。

 この日は、高安に勝った玉鷲も右足首を捻るようにひざから落ち、しばらく立ち上がれなかった。力水をつけて西の花道を引き揚げる際にも足が前へ出ない様子だったが、玉鷲には車椅子の助け舟が出なかった。

「東西の通路には力士用の大型車椅子が用意されているが、西の車椅子は4番前の宇良を運ぶために使っていたので、玉鷲は自力で歩かないといけなかった。車椅子の出動なんて年に1回あるかないか。こんなことは初めて」(協会関係者)

◆取組編成できない!

 ケガ人続出、休場者急増の事態に最も戸惑っているのは、毎日の対戦を組む審判部の親方たちだろう。

 4横綱3大関がいるので、本来なら10日目あたりから横綱・大関の総当たり戦となっていくはずだが、すでにそのうちの5人がいない。

「残った2人が出続けてくれる保証もない。日馬富士は左肘の古傷があるし、中盤戦では今場所唯一の金星のチャンスだと平幕が目の色を変えてぶつかってくる。カド番の豪栄道も負け越したら途中休場でしょう」(若手親方の一人)

 千秋楽の結びの一番が横綱・大関戦になるかさえわからない。

 本場所中の取組は横綱の一番から大関、関脇と順に決めていくが、場所が進むにつれて、星勘定の近い力士がつぶし合うように対戦させていくのが慣例だ。

 千秋楽の終わり3番は「役相撲」(これより三役)と呼ばれ、取組前には東西三役の揃い踏みが披露される。ただ、序盤戦で早くも三役以上の全員に土がついた。星取の進行次第では、これより三役に平幕力士が登場する珍事も起きかねない。

「ここまで休場が多くなると、日馬富士、豪栄道もいなくなって、千秋楽の結びの一番が関脇の嘉風―御嶽海戦、なんてこともありそうに思えてくる。まぁ、2人ともガチンコだから、面白い一番になるとは思いますが……」(同前)

※週刊ポスト2017年9月29日号