日本ワインブームでワイナリーの57.1%が「増益」 コンクール受賞作など魅力的なワインも続々

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 世界的に「和食」人気が高まるなか、海外では和食にマッチする「日本ワイン」の存在感が高まっている。国内ワイナリーの業績を見てみよう。

 帝国データバンクは9月1日、ワイン製造業者の経営実態調査の結果を発表した。調査対象は同社が保有する企業データベースのうち、主業が果実酒醸造業でぶどう酒醸造を専門に行っているワイナリーの138社。

 138社の2016年(1月期〜12月期)の売上高をみると、「増収」が45.5%、「横ばい」が33.3%、「減収」が21.2%だった。近年のワインブームを背景に、日本ワインの増産で増収のワイナリーが多くなる一方、原料ぶどうの購入量減少により出荷本数が抑制されたケースや、輸入ワインとの競争激化、天候不順を背景とした観光客減少で減収になったワイナリーもあった。

 収益動向をみると「増益」が57.1%、「減益」が30.6%、「横ばい」が2.0%、「赤字」が10.2%だった。業績を安定的に伸ばすワイナリーが多数を占める一方、日本ワイン人気に伴う国産ぶどうの調達価格上昇や、安価な輸入ワインとの競争で利益が圧迫されているケースも見られた。

 日本ワインに注目が集まる中、日本ワインコンクール実行委員会主催の「第15回 日本ワインコンクール 2017」が開催され、9月1日から2日にかけて表彰式と公開テイスティングが行われた。審査はボルドー大学ワイン教育部長 ジル・ド・ルベル氏ほか25名の審査員により、色・香り・味・ハーモニーなどの項目が審査された。

 原料品種別でエントリー数が最も多かったのは「欧州系品種 赤」で、部門最高賞はサントリーワインインターナショナル株式会社の「サントリー登美の丘ワイナリー 登美 赤 2012」が獲得した。登美は自家ぶどう園で丹念に育てられたぶどうを使用したこだわりのワインだ。

 甲州を原料とする「甲州」部門では、サッポロビール株式会社のグランポレール勝沼ワイナリーの「グランポレール山梨甲州樽発酵2016」が2年連続で獲得した。同ワインはフレンチオークの小樽で発酵・熟成し、甲州種の繊細なアロマとやわらかな樽香の絶妙なハーモニーが楽しめる辛口ワイン。

「Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2017」において、
2年連続で金賞を受賞したサッポロビールの​「グランポレール山梨甲州樽発酵2016」(写真右)
同コンクールでは「グランポレール長野古里ぶどう園貴腐2011」(写真左)も金賞を受賞している

 銀賞以上を獲得したワインのうち、2,000円未満のワインにはコストパフォーマンス賞もある。「甲州」部門ではフジッコワイナリー株式会社の「フジクレール 甲州シュール・リー 2016」と、中央葡萄酒株式会社 グレイスワインの「グレイス グリド 甲州」、盛田甲州ワイナリー株式会社の「シャンモリ 柑橘香甲州 2016」の3つが獲得した。

 日本ワインブームを背景に業績を伸ばしたワイナリーも多い。コンクール受賞作を含め、魅力的な商品が次々と登場しているので、この機会に日本ワインを味わってみるのもよさそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]