「ファッション業界は変わった。責任はインスタにある」:ロニー設立者ロニー・ゼイダン氏

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ソーシャルメディアの影響力、ファストファッションの市場シェア拡大、パリに目を向けるデザイナーたちといった大型台風の渦中で、ニューヨーク・ファッションウィークの目的と存在意義が「再び」疑問視されている。

それでも、新しいシーズンはやって来る。NYにおけるファッションショーとプレゼンテーションのシーズン開幕を飾ったのは、トム・フォード(Tom Ford)の復帰だ。

ファッションマンスの狂騒を前に、米DIGIDAYの関連メディアGLOSSY(グロッシー)は、ロニー・ゼイダン氏にインタビューを行った。ラグジュアリーブランディングエージェンシー、ロニイー(RO NY)の設立者にして、ダナ・キャラン(Donna Karan)やラルフ・ローレン(Ralph Lauren)でも働いてきた人物だ。NYファッションウィーク特集のポッドキャストで、ゼイダン氏は来たるシーズンについて予測し、ソーシャルメディアがハイブランドにもたらすのは、果たして祝福か呪いかといった質問に答え、「いま見て、いま買う」トレンドは終わったのかどうか存分に語ってくれた。

以下はゼイダン氏とのインタビューのハイライトだ。

業界のごたごたについて



ファッションウィークはオワコンだとあちこちで囁かれている。多数のデザイナーがNYに見切りをつけ、隣の芝生は青いとばかりにパリに目を向けた。過去の数シーズンのファッションウィークはとりわけカオスで、多くのブランドが従来のスケジュールを無視して動いている。今シーズン、さらなる混乱はあり得るのだろうか?

「目の前で変化が起きると、人は冷静でいられなくなる。新たな基準に慣れるだけで精いっぱいになる。ファッションは20年前とは違ってしまった。小売業界もそうだ。その責任はインスタグラムにあると思う。業界で何が起きているのか、どう対処すればよいのか、理解しようとみんなが慌てふためいているが、しばらく様子を見るべきだと私は思う」。

いまの業界で新しいブランドが成功するには?



ゼイダン氏は、NYファッションウィークに初挑戦するブランドに対し、「無駄をそぎ落とす」ことを求めている。たしかに、実行力のある戦略ではなく、革新的なテクノロジーや個性的なモデルをマーケティングツールとして利用するのはファッション業界では珍しくない。

「マーケティングテクニックを駆使すれば、当然ながら一瞬にして話題になれる。だが本当に成功しているブランドは、理にかなった卸売り戦略をきちんと展開し、予算の管理や市場での適切なポジショニングを行ったうえで、小売りチャネルとのバランスを取っている」。

「いま見て、いま買う」トレンドの運命は?



丸2シーズンにわたってファッションマンスの最大の話題となった「いま見て、いま買う」のトレンドは、すでに過ぎ去ったようだ。トム・フォードやタクーン(Thakoon)といったブランドが、ランウェイでのファッションショーとニューコレクションのリリースを同時に展開するこのビジネスモデルを試し、すでに手を引いている。インタビュー中「いま見て、いま買う」という言葉を出しただけで、ゼイダン氏は呆れ顔を見せた。

「トミーヒルフィガー(Tommy Hilfiger)やバーバリー(Burberry)がこのアプローチを試みてきたが、それで彼らのビジネスが変わったか? 答えは『ノー』だ。変化は卸売りの段階と、売り場で起こす必要がある。経営レベルで実践されない変化など、成功しない」。

以下にて、GLOSSYによるポッドキャストインタビューの全容を確認してほしい。



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Hilary Milnes(原文 / 訳:SI Japan)