堅実女子の悩みに答える本連載。今回の相談者は古里美智佳さん(仮名・36歳・メーカー勤務)。

「私は実家に住んでいるのですが、兄の妻が強引に子供を置いて遊びに行ってしまうのです。夜に預けたときは、たいてい1泊になり、朝に兄が引き取りに来ます。彼女は専業主婦をしています。よくあるパターンとしては、私が帰宅する20時くらいに軽自動車で乗り付けてきて、“こんばんは、ちょっとお願いします”といって、子供(男・5歳、女1歳)を置いて、どこかにいってしまうのです。下の女の子は歩き始めたばかりで、あちこち行ってしまい、ケガなどをしないように目が離せません。

しかも、勝手に預けに来たのに、子供が小さなケガをしたり蚊に刺されていたりすると文句を言うのです。父も母も子供の面倒を見ることで、疲労がたまり、先月は体調を崩して入院してしまいました。

優しく断っても聞かないと思って、父が“ウチは預かれない”と言っても、ドアのスキマから“まあまあ”と言いつつドアを開け、子供を強引に置き逃げしてしまうのです。私が出ると、“独身だし彼氏もいないんだからいいじゃない”と言われてしまい、あぜんとしている間に置き逃げされました。これには結婚を大反対した両親も困り果てています。

まだ小さいから、家に返すこともできず……。それに、子供に対する影響もあると思って、強く言えません。本当に迷惑なのですが、かわいい孫でもあるので、悪影響がありそうなので心配です。

こうなったのは、ここ半年くらいのことなので、日にちも兄が夜勤の日と決まっています。頻度は週2〜3回くらいでしょうか。土日も夫婦で遊びに行くために、月の半分の土日はウチで預かっているような気がします。

せめてお金でももらえれば、気持ちのおさまりが付くのですが、こういう家族間のトラブルに、有効な法律手段はあるのでしょうか……」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

引き取りの際に、子供の前で大人が言い合うことについて、あなた自身も考えることがあるようですね。

さて、この件については、まずはお兄さんと両親を交えて実家にも生活や都合があることを告げて、話し合いをして、子を預かる場合のルールを決めることを試みてはどうでしょうか。

家族の関係上、話し合いそのものが難しい場合は、家族間のトラブルは、家庭裁判所に調停申立をして、話し合いをする方法もあります。

まずは、当人たち同士で話し合いの場を設け、条件などについて口頭で決めるのではなく、覚書などを交わすというのも有効な手段なのではないでしょうか。

実家には広い庭があり、「子供本人が行きたがる」というのが、兄嫁の言い分。下の妹が離乳食が終わったあたりから、預ける頻度が増えたという。



■賢人のまとめ
家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/