新京報など中国メディアは14日、中国各地の共産党委員会が故・毛沢東主席の「実践論」と「矛盾論」の学習会を開催していると伝えた。資料写真。

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新京報など中国メディアは14日、中国各地の共産党委員会が故・毛沢東主席の「実践論」と「矛盾論」の学習会を開催していると伝えた。一連の報道を総合すると、習近平(シー・ジンピン)共産党総書記(国家主席)が7月26日に行った「重要講話(重要演説)が発端となり、10月18日に始まる中国共産党全国代表大会(共産党大会)に向け、思想の引き締めがさらに強化されていると理解できる。

「実践論」と「矛盾論」は故・毛沢東主席が1937年に発表した論文で、当時の共産党内部にはマルクス主義が説く字句を表面的に理解する「教条主義」や自らの断片的な経験に基づく「経験主義」が横行していると批判している。

新京報は9月7日から14日までに、河北省、天津市、海南省、江蘇省など中国の31省(含、中央直轄市、少数民族自治区)のうち、少なくとも13省の共産党委員会が「実践論」と「矛盾論」の学習会を実施したと伝えた。

学習会を主宰したのは共産党省委員会のトップである書記で、今年(2017年)は「実践論」と「矛盾論」の発表80周年であることから、習総書記による「重要指示」に基づき共産党幹部がマルクス主義哲学を全目的に学習し理解することになったと説明されているという。

学習会には、共産党の理論研究・教育機関である中央党校などから専門家が招かれ、講師を務めている。また、共産党広東省委員会が開催した学習会では「習総書記の7.26重要講話の哲学基礎」がテーマとされた。

「7.26重要講話」とは、習総書記が主宰、共産党トップの中央政治局常務委員会のメンバー全員が臨席し、各地の共産党高級幹部を招集して北京市内で7月26日、27日に開催した学習会で習総書記が行った演説を指す。

習総書記は同「講話」で(秋には)共産党大会が開催されると指摘し、現状について「わが国の社会発展の特色を把握し、弁証唯物主義と歴史唯物主義の方法論を堅持し、歴史と現実・理論と実践・国内と国際状況を組み合わせて思考する」などにより、「正しい結論を得ねばならない」と強調した。

中国共産党中央委員会機関紙の人民日報は7月末から8月にかけて、「7.26重要講話」の解説記事を繰り返し掲載。8月22日には「偉大なる勝利を得るための特効ある宝」として、「実践論」と「矛盾論」が発表80周年であり、習総書記も両論文を極めて重視してきたと紹介する記事を発表した。同党宣伝部が主管する光明日報も9月1日、「実践論」と「矛盾論」の活用を強調する論説を発表した。

10月18日に始まる共産党大会は5年に1度開催される、同党にとって極めて重要な政治イベントだ。党の主要人事も同大会で決定され、このところの慣例に従えば、2022年の次期大会で引退することになる、習総書記の後継者も事実上確定する。

習総書記は党大会に向け、故・毛沢東主席の権威も利用して自らが絶対的な指導者であるとのイメージを強めるなどで、党内引き締めを推進していると理解できる。(翻訳・編集/如月隼人)