いつ、お喋りしてくれるの?「言葉の発達が遅い子」考えられる6つの理由&解決策

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2歳過ぎて、「ママ、お腹すいたからご飯食べたい」などの主語、述語が入った二語文、三語文を話す子がいます。

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けれども「マンマ」「ワンワン」しか言わない子もいます。

こんな風に、わが子の言葉の発達が遅いと「何か問題があるのでは?」と不安になってしまいますよね。

人の成長の中で、首の座り、寝返りをうつ等「平均的には○ヶ月くらいには△△ができるようになる」という時期があります。それが育児書などに示されています。

そうなると、平均値から少しでも外れてしまうと不安にかられるのが親ですよね。

今回は、『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子が、言葉の発達が遅れる原因と解決策についてお話しします。

将来には影響しない

例えば、歩行についても1歳前から歩き始める子もいれば、1歳過ぎても伝い歩きしかできない子もいます。だからといって、それが将来の運動能力の差に直結するかというと、そんなことはないのです。

言葉についても同様です。早くしゃべり始めたから学力が高い子に、遅かったから学力が低い子になるわけではありません。

顔や身体つきがそれぞれ違うように、言葉の発達は個人差がとても大きいのです。

ただ、言葉の発達が遅れるのには、いくつかの原因が潜んでいることもあります。

言葉の発達が遅い原因とその対策

環境や個性が原因の場合

■1.話しかけていない

子どもが生まれてから1年間は「ママ、○○して」なんて、赤ちゃんから親に話しかけることはありません。

そんな会話ができない人形みたいなわが子に対して、「話しかけても答えが返ってこない。そんな相手に話しかけても無駄である」と考えてしまい、ただただ無言でオムツを替え、ミルクを与えて世話をしていたとしましょう。

また、公園に連れて行くこともなく、誰とも関わらせていなかったとしましょう。

こうなると、言葉を聞く機会が奪われるので、言葉の発達が遅れることがあります。

【解決策】

オムツを替えるときは…「オムツ濡れちゃったね、今から替えてあげるからね」「さっぱりしたね」ミルクをあげるときは…「お腹空いたね。たくさん飲んでね」外に連れ出したときは…「今日は風が冷たいね」「今日は少し暑いね」

こんな風に話しかけましょう。なんだか一人芝居をしているようで恥ずかしいかもしれませんが、この言葉がけがとても大切なのです。

絵本を読んでやるのもよいでしょう。言葉を話さなくてもちゃんと赤ちゃんは聞いています。やがておしゃべりするようになりますよ。

■2.子どもの性格

会議、お酒の席、ランチなどでいつも会話の中心になって発言する人や、聞き役に回る人などそれぞれの性格によりしゃべる量は異なります。

また寡黙な人、誰とでもよく話す社交的な人など、さまざまなタイプの人がいます。

子どもでも性格は皆違います。もしかしたら、自分からあまりしゃべらないタイプなのかもしれません。

筆者は幼児や小学生に授業をしていますが、「○○がわかる人?」と質問すると、次のようなタイプに分かれます。

答えを準備することなく、ともかく当ててもらいたくて手を挙げる子。そして、指名されてから「ううんとね…、え〜とね…」と答えを考え始めるみんなに釣られて手を挙げる子自信をもって正確に答えられる問題以外は絶対に手を挙げない子正解がわかっていて、も絶対に挙手しない子

【解決策】

しゃべりたくないのに「もっとおしゃべりしなさい!」と無理強いしないようにしましょう。話しかけたり絵本を読んでやったりして、ただただインプットしていればよいのです。

インプットされる言葉がなく、アウトプットできないのであれば問題ですが、そうではなく頭の中にたくさんの言葉が入っていれば、そのうち話すようになります。

昔はあんなにしゃべらなかったのに今は宴会部長、トップセールスマン、接客ナンバーワンなんてこともよくある話ですよ。

「幼児期は録音の時代、再生するのはずっと後」くらいにのんびり構えていましょう。

■3.気が利きすぎるママ

夫に対して何も言われていないうちから「はい、ビール」「はい、靴下」と世話をする気が利く妻。こんな出来た奥さんが親になったとき、子どもにも同じようにしてしまうことがあります。

相手の顔色を見て、何をしてほしいのかすぐにわかる察しが良いタイプです。

例えば、子どもが無言なのに…
「ほら、トイレ行きたいんでしょ」
「喉が渇いているのね。はい、お茶」
「あの玩具で遊びたいのね。ママが取ってきてあげる」

などとやってしまっているケースです。こうなると子どもは言葉を使わなくても自分の思いが通るので、しゃべる必要がなくなります。

【解決策】

夫に対しては良いのですが、子どもにはあえて望みを叶えてやらないことです。

子どもが「ママ、ジュース!」と叫んでも、「ママはジュースじゃないよ、ジュースがどうしたの?」と言いましょう。

また、「えっ、どこに!?」と反応しても良いでしょう。

こうしているうちに子どもは言葉を使う必要にかられ、しゃべるようになります。

また、夫が妻に「おい、お茶」と言うのを真似して、子どもが「ママ、水」と言っていることがあります。これでサッと水を出してしまうと、子どもはその後も単語しか言わなくなります。

小学校の授業で鉛筆を忘れたとき「先生、鉛筆」。幼稚園でトイレに行きたいとき「先生、おしっこ」とだけ叫んでいる子が結構います。家庭での習慣をそのまま他人に対しても無意識でやってしまっている例ですね。

また幼児期から「先生、トイレに行ってもいいですか」「先生、鉛筆を貸してください」ときちんと言える子どももいます。家庭で「ママ、喉が渇いたからお水ちょうだい」と言わせている家庭だったりします。

子どもの単語に機械的に反応するのは止めましょう。先回りしてあれこれやってしまい過保護にならないようにしましょう。特に“せっかち母さん”は気を付けてくださいね。(過去記事「“いい奥さん”の子どもほど、“困った子”になる理由」)

障害がある場合も

■1. 場面緘黙症

1.ある特定の状況、場面以外では話すことができるが、そのある特定の社会的状況、場面では常に話すことができない。

2.この疾患により、学業上、職業上の成績が適正に評価されない、または対人コミュニケーションを円滑に行えない。

3.この疾患が少なくとも一カ月続いている。

4.場面に応じた知識があり、会話の楽しさを知っているが、話すことはできない。

5.コミュニケーション症(例:小児期発症流暢症)ではうまく説明されず、自閉スペクトラム症、統合失調症またはその他の精神病障害の経過中にのみ起こるものではない。

出典:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル

もし、心配であればお住まいの自治体に連絡し、相談する場所を紹介してもらいましょう。また、直接、小児の精神疾患を専門に扱うクリニックや大学病院を受診するのもよいです。

■2. 聴覚障害

全く聞こえない場合や聞こえづらいケースです。言葉が入ってこなければ、なかなかしゃべるようにはなりません。

【解決策】

話しかけても振り向かないなど「おかしいな」と感じたら、耳鼻科を受診させましょう。どれくらい聞こえているか聴力検査を受けることが出来ます。

■3. 自閉症

生まれつきの脳機能の障害です。耳も聞こえていて声を出す機能に問題がなくても言葉の発達が遅れます。

社会性の障害により人に関心がなく関わる気持ちが薄いので、言葉の発達が遅くなる傾向があります。

【解決策】

「おしゃべりしなさい」と言っても難しいです。また、「これはリンゴよ。リンゴって言いなさい!」と訓練しても単語が増えるだけで、なかなか会話にはつながっていきません。

「これはリンゴよ。リンゴって言いなさい!」というと「これはリンゴよ。リンゴっていいなさい」とオウム返しするだけに留まったりします。

筆者の息子は自閉症ですが、幼児期に主治医に「言葉を話す訓練をしたい」と申し出たことがありました。けれども、医師から「“誰かと関わりたい”とか“人の真似をしてみたい”という動機が起こらなければ、なかなか話せるようにはなりません」と言われました。

実際、単語が増えても友達に「ねえねえ、一緒に遊ぼうよ」なんて会話するようにはなりませんでした。

おしゃべりするということは単語を増やすことでなく、それを使ってコミュニケーションすることです。

英語だって「外国人とコミュニケーションを取りたい」という強い動機があって話しかけることができます。英単語を知識としてたくさん知っているだけで、「人とあまり関わりたくない、交わりたくない」と思っていると、なかなか上達しないのとある意味同じですね。

まとめ

平均的には子どもは2歳くらいになれば言葉を話すようになりますが、個人差がとても大きいです。あまり神経質になる必要はありませんが、心配な人は参考にしてくださいね。