日曜日の騒動などどこ吹く風とばかりに、ELコンヤスポル戦の酒井は出色のパフォーマンスを披露。先発フル出場で勝利に貢献した。(C)Getty Images

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 マルセイユの指揮官がついに、あの謎采配について口を開いた。
 
 先週日曜日のリーグ・アン5節、本拠地ヴェロドロームにレンヌを迎えた一戦だ。マルセイユは攻守両面で歯車が噛み合わず、アウェーチームに2点を先取される。そんななか、38分にリュディ・ガルシア監督に突然交代を命じられたのが、右SBの酒井宏樹だった。
 
 失点に関与したわけでもなく、むしろそつのない動きで攻守に奮闘していたが……。結果、マルセイユは1-3で敗れた。
 
 試合後、酒井自身は「なぜ替えられたのか理由は分からない」と首を傾げつつも、「監督の決めたことに従うだけ」と殊勝なコメントを残した。だが、この不可解な交代に過敏に反応したのが国内メディアだった。「指揮官、ついに乱心か」「明らかな采配ミス」とガルシア監督を槍玉に上げ、前節のモナコ戦1-6の大敗に続く惨敗に、風当たりを強めていた。
 
 ガルシア監督が沈黙を破ったのは、木曜日のヨーロッパリーグ1節(コンヤスポル戦)を前にした記者会見でだ。指揮官は、酒井に疲労の色が濃かったからだと説明。日本代表のワールドカップ予選でフル稼働したのがその原因だと結論付けた。言わばヴァイッド・ハリルホジッチ監督の判断に、不快感を示したのである。
 
「あの交代についてはいろんな意見があったと承知しているが、もちろん私にはちゃんとした考えがあった。ヒロキは日本代表の遠征に帯同し、世界を周回した。1試合目(オーストラリア戦)でワールドカップ出場が決まったんだ。だったら2試合目(サウジアラビア戦)には出なくていいだろ!なぜだ? どれだけの負荷がかかるかを考えれば……。だが、結果的にヒロキはフル出場した。それがすべてだよ。思っていた以上に疲れていた。だから休息を与えたんだ」
 
 つまり、レンヌ戦での交代は酒井がなにかしらのミスをしたからではなく、単にコンディション面を危惧して早々に引っ込めたということか。
 
 さらに指揮官は興奮気味に、こう反論した。
 
「(酒井の代わりに右SBに入った)ブナ・サールは確かな実力の持ち主であり、マルセイユでの実績も申し分ないだろう。それは誰もが知っている。負ければなにをやろうが、なにを言おうが批判の的になるんだ。もし致命的なミスをしてもチームが勝ちさえすれば、それは正しい判断だったと評価される場合もある。フットボールのゲームとはそういうものだ」
 
 皮肉めいた言い回しで締めた。
 
 木曜日のコンタヤスポル戦で酒井は、先発フル出場。絶え間なく積極果敢なアップダウンを見せ、チームの1-0勝利に貢献した。