お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、田島美佐さん(仮名・広告会社勤務・33歳)からの質問です。

「33歳会社員です。今勤めている会社を辞めたいと思っています。転職活動は、退職後しばらく休んでからゆっくりはじめたいと思っています。生活費として、最低いくらくらい貯金があれば安心、という目安はありますか?」

さっそく、森井じゅんさんに聞いてみましょう。

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休養中の生活費の準備はできてる?

休養中、お金がどれくらい生活費が必要か、そのためにどれくらい貯金があったらいいかというご相談ですね。

休養中に必要になるお金は相談者さんの生活環境や生活レベル、そして休養する期間によって大きく変わってきます。

まずは収入面から考えてみましょう。

会社を退職すれば、当然その会社からのお給料はなくなります。また、退職にあたり、会社から受け取れるお金があるかどうかは、お勤めの会社によって異なります。退職金や積立金などがあるかどうか、就業規則等を確認してみましょう。

会社を辞めた後にもらえるお金として、よく取り上げられるのは失業保険でしょう。しかし、前回お話したように、失業給付は「失業の状態」でなければ受けることができません。つまり、求職活動をせずに休養しているだけでは失業給付金はもらえないのです。

また、求職活動をする前提で失業給付を受ける場合でも、自己都合による退職では初回給付まで4か月程度はかかります。

さらに、その期間にしっかり働いてしまうと「失業の状態」と認定されず、失業給付をうけられないことがあります。補助的なアルバイトであれば給付に影響しないこともありますが、その認定はハローワークによって違ってくることがあるので、実際に失業給付を受けようと考える場合には、ご自身が利用するハローワークにしっかり確認しましょう。

いずれにしても、たとえ失業給付が受けられるという想定でも、通常4か月程度あまり収入がない期間があるということになります。

求職活動をせずに休養では無収入になりますし、求職活動をしながら失業給付を受けるにしても、その期間生活していくための貯金がなければ心細いでしょう。

1か月の支出額を把握して減額できるかチェック

次に支出面です。

まず、現状1か月にどれくらいの支出があるのかを、しっかり把握しましょう。

その中で、自分が生活していくのに必ず必要になるお金はどれくらいなのかを考えてみてください。

毎月必ず一定額の支出がある固定費と、月によって支出額がかわる変動費に分けて考えると分かりやすいです。

固定費は、家賃や光熱費、通信費など。これらは会社を辞めても支払いは避けられません。1人暮らしの方であれば、休養中、実家に身を寄せることができるケースは、これらを抑えられる可能性もあります。

そして、食費や交際費などの変動費は、意識的に減らしていくことが可能です。

また、かかりすぎている通信費などはないか、この機会に見直してみることもいいですね。特に必要のない保険や、よくわからない会費などを整理すると、全体として出費を大きく抑える事ができたりします。見直しが必要な出費や契約がないか、チェックしてみてください。

忘れてはいけない社会保険料や税金のこと

それから退職後に困りがちなのが、健康保険料や年金保険料です。

健康保険料は、ご家族の扶養になることで負担を抑えられる可能性があります。退職によって、保険料を納めることが経済的に難しいときには、年金保険料も免除や猶予の制度を利用することも可能。国民健康保険に切り替える場合には、役所に問い合わせれば保険料がいくらくらいになるか教えてもらえます。

さらに、住民税にも要注意です。会社員時代には、毎月給与から天引きされ、会社が代わりに納付してくれていますが、退職後はご自身で納める必要があります。現在の給与明細をチェックし、毎月いくらの住民税を払っているのかを確認しましょう。

転職活動費用の準備は万全?

相談者さんは、休養後にゆっくり転職活動を始める予定とのことですが、転職活動にもお金がかかります。スーツや靴やバックなど、転職活動のために必要になるかどうかを検討してください。また、履歴書や写真代、郵送料、面接のための交通費など諸々の費用もかかります。

そして、転職活動を始めたからといって、すぐに転職先が見つかるとは限りません。一般的に、転職活動には3か月程度かかると言われています。それ以上になることだってあり得ます。

相談者さんが休養後、転職活動にどれくらい時間がかかるかは、その時になってみないと分かりません。焦って転職先を決めなくて済むよう、数か月は想定しておきたいところです。

休養期間と転職活動期間を合算し、その期間にどれくらいのお金がかかるかをしっかりシミュレーションし、ご自身の必要な貯金額を計算してみてください。

「貯金がないから退職できない」は本末転倒

もちろん、貯金はあればあるほど安心ですよね。

しかし相談者さんは何か思うところがあり、現在の仕事を辞めたいと考えていらっしゃるんですよね?

もし、辞めるという意思が決まっていて、人生の軌道修正をしたいと考えているのであれば、個人的にはできるだけ早い方がいいと思います。

なぜなら、スタートが遅くなればなるほど、軌道修正が難しくなるからです。

貯金ができるまで辞められない、と諦めるのではなく、日々の生活コストを下げる方法があるか、休養期間をどう過ごすのかなどの検討もしてみてください。
固定費の削減や転職活動のスタートなど、今できることを進めておくと、夢の実現も早まりますよ。

その決断が人生のステップアップになりますように!



■賢人のまとめ
まずは現在の1か月の支出の計算を。そこから減額できるものを精査して、休養中の生活費を把握しましょう。その額×転職が決まるまでの期間の月数が、生活に必要な額となります。今からコンパクトにできるものはキュッと引き締めて、早めのスタートが切れるよう、頑張ってくださいね。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。