メキシコ大地震 続く避難生活、募る不安

写真拡大

 今月7日にメキシコ南部で起きたマグニチュード8.2の巨大地震。地元メディアによると、倒れた住宅の下敷きになるなどして90人が死亡し、250人がケガをした。被害が最も大きかった南部・フチタンでは、先行きの見えない避難生活に被災者は不安を募らせている。

 フチタンでは10日、重機を使って、がれきの撤去が急ピッチで行われていた。被害の実態はどうなっているか。許可を得て店内に入ると、壁が崩れてレンガが散乱していた。

 地震が起きた時、レストランは営業中で、店内には4人の客がいた。地震の後、すぐに外に出たため、幸いケガ人はいなかったという。

 レストランの従業員、トーマス・ペレスさん「この場所で営業を再開することはありません。余震ごとに店が少しずつ傾いています。あと数日で倒れてしまうのではないかと思います」

 AP通信によると、フチタンでは建物の3分の1が倒壊、または人が住めない状況だという。

 ただ、同じ地区でも建物の被害は違っていて、ヒビなどが見られない建物もあれば、屋根が抜け落ちて原形をとどめていない建物もある。屋根が抜け落ちて倒壊した建物は薬局で、レンガ造りだった。

 薬局の近くにある幼稚園もレンガ造りで、現地を取材するとレンガ造りの建物に被害が目立った。

 エラスモ・ルナさん(70)が住むレンガ造りの住宅を訪ねた。玄関から中を見せてもらうと、奥にあった壁が完全に崩落し、外が丸見えになっていた。さらに住宅の裏側を見ると、屋根が抜け落ち、元の形がわからないほど壊れていた。ここには中庭と別の部屋があったという。

 この家はルナさんの父親が60年ほど前に建てて、その後、ルナさんが譲り受けた。

 ルナさんは今、家を失った近所の人たちと一緒に空き家を借りて避難生活をしている。避難場所に選んだのは、被害がなかったコンクリートの空き家。ここにルナさん夫婦ら7家族・35人が一緒に暮らしている。

 ルナさんには自宅近くを離れたくない理由があるという。

 ルナさん「自分たちの家に泥棒が来ないように、ここで見張る。ここで家族、近所どうしで生活できる」

 現地の大学には避難所が設けられ、支援物資の提供や医療チームによる健康相談の受け付けが始まるなど、被災者への支援が本格化している。しかし、住宅の再建はメドが立っていない。

 被災者は先行きの見えない避難生活に、不安を募らせている。