(CNN) 家を建てるのは一部の人にとって一生の夢だ。新しい組み立て住宅の登場により、この夢は実現可能なものになった。それも10分以内にだ。

英企業テンフォルド・エンジニアリングが作った持ち運び可能な家、「uBox」は広げると約60平方メートルになる。自動的に組み立てられ、土台を用意したり重機を使ったりする必要はない。

個々の家は特許を取ったレバー構造を使用しており、展開する際はそれぞれのパーツが同時に動く仕組みになっている。貨物用コンテナと同様、保管や輸送のために積み上げることが可能だ。

しまう際は密閉状態になり、内部に物を保管することもできる。

7年前に同社を設立した英国の建築家、デービッド・マーティン氏はこうした即席住宅を開発した狙いについて、所有者に柔軟性を提供するためだと説明。「われわれの新しい世界においては常に物事が変化しているため、機敏に動けることが必要だ」「現代生活に求められるスピードで動かせるものは他にない」と語った。

開発に当たり焦点となったのは、「使いやすく職場にもなり、必要な物を運べるほどの大きさを持った構造を実現できるか」という点だった。トラックのような従来型の交通システムを使って輸送でき、クレーンや作業員なしで荷下ろし可能なうえ、時間を浪費しないよう数分間で組み立てられるものを開発しようと試みたという。

当初は住宅として開発されたが、オフィスや店舗、レストラン、展示場として使うこともできる。重要なのはこうした柔軟性だという。

マーティン氏は「冬は山、夏はビーチに設置することが可能だ」と指摘。「富裕層向けのような印象を与えるのは分かっているが、実際は違う。学校であれば学期中は教室として1カ所で使い、夏の間は別の場所に置いておくことができる。より多くの人により多くの機会を提供する一方、重複や無駄は減る」と話した。

テンフォルド社の事業開発責任者、アンドレア・デボア氏によれば、この案は今のところ小売りや住宅産業、イベント関連業界などで人気を博している。「個人の求めに応じて注文製作やオーダーメイド、もしくは大量生産もできる」という。

uBoxは製品として「ごく初期の段階」だといい、売上数は明かさない方針だとしている。同社の家の値段は最大で12万9000ドル(約1430万円)。

持ち運び可能な家には数々の利点があるとみられるが、テンフォルドは自社が従来の建築と対立しているとは考えていない。

デボア氏は「われわれの技術は従来のインフラ産業と相補的なもの、これを補助するものと見なされるべきだ」「こうした構造物は持ち運び可能な不動産だといえる」と説明。

マーティン氏は「誰もがこうした家を持つべきだと主張しているわけではない」と補足し、「われわれ皆の生活向上につなげるためのツールだ」と述べた。