電動アシスト付きベビーカーで「誤解」を生んだ「グレーゾーン解消制度」って何だ?
先週、経済産業省が、新規の6人乗りの電動アシスト付きベビーカーの照会で、「軽車両」に該当するとの見解を発表したことで、
すべての電動アシスト付きベビーカーが車道を走る必要があるのか?
との誤解がネット上で拡散し、ちょっとした炎上になった。
「軽車両」ということは、自転車なんかと同じ扱いで、車道の左側を通らなくてはならない。ベビーカーと言うからには、子どもを乗せるものなのに、危なくないのかと批判が集中したのだ。
この誤解を生んだ背景には、「グレーゾーン解消制度」の存在が周知されたかったことがあった。
●そもそも「電動アシスト付きベビーカー」ってどんなもの?
ベビーカーといえば、普通の人が認識しているのは、赤ちゃんを乗せて母親が押しているものだ。最近では、電動アシストの付いたベビーカーも登場してきているが、見たことがない人のほうが多いだろう。
今回、問題になったのは、実は、通常のベビーカーではない。
保育園などが、まだよく歩けない子どもを複数人乗せて、公園などに連れて行くときに使用する荷車のようなベビーカーなのだ。
大きさも通常のベビーカーより大きく、複数の子供を同時に運べるもので、保育士も付きそって移動する。
このベビーカーが、車道を通らないといけないと誤解されれば、危なくないわけがないので批判が起こるのも当たり前だ。
しかし、実際は、こうした複数人用のベビーカーに電動アシスト機能を追加した製品についての問い合わせだったのだ。
●誤解を生んだ「グレーゾーン解消制度」とは?
今回の発表を見て、大多数の人が「すべての電動アシスト付きベビーカーは軽車両」と思ってしまったわけだが、これが「誤解」だった。
もともとこの発表は、経済産業省の「グレーゾーン解消制度」の活用実績として出されたものだ。
ここで問題なのは、「グレーゾーン解消制度」って何だ?
ということだ。
「グレーゾーン解消制度」って、
・初めて聞いた
・聞いたことがない
という人も多いだろう。
グレーゾーン解消制度とは、
企業が新事業を計画した際、その内容が法律の規制に抵触するかどうか、不明確な場合がある。
その際、あらかじめ規制の適用の有無を照会(確認)できる制度なのだ。
まさに法律上で、グレーゾーンな問題や規制を、事前に確認し、不明点を解消してくれる制度なのである。
今回の発表は、
ある事業者からの、このベビーカーは道交法ではどう取り扱われるのかという照会に対しての答えであって、すべての電動アシスト付きベビーカーについてではなかったのだ。
確かによく読めば「照会のあった電動アシスト付ベビーカーは」となっているし、そのあとも「当該電動アシスト付きベビーカー」と表記されている。
●以前には「小児用の車」という発表も
経済産業省は、電動アシスト付きベビーカーについて、2015年に、同じくグレーゾーン解消制度を利用した別の業者からの照会についての回答で、条件を明記した状態で「小児用の車」に該当するという発表もしている。
「小児用の車」は歩行者と見なされるので、当然歩道を通行できる。
同じ「電動アシスト付きベビーカー」ではあるが、判断が分かれているが、これは、どちらも、特定のある製品についての見解が述べられているだけで、どちらが正しいということではない。
もちろん、今回問題になったのと同じスペックの電動アシスト付きベビーカーを発売した場合は、「軽車両」扱いになるので、車道を通行しなくてはならなくなる。
当然、業者は、それでは困るので、製品仕様の変更などを検討するだろう。
今回の騒動は、「グレーゾーン解消制度」について、経済産業省からの周知、メディアから説明、国民の認識、いずれかが十分にあれば起こらなかっただろう。
今回の問題で、ネット社会の現在では、以前にも増して、正確な情報の発信、周知の必要性を再認識できたのではないだろうか。
すべての電動アシスト付きベビーカーが車道を走る必要があるのか?
との誤解がネット上で拡散し、ちょっとした炎上になった。
「軽車両」ということは、自転車なんかと同じ扱いで、車道の左側を通らなくてはならない。ベビーカーと言うからには、子どもを乗せるものなのに、危なくないのかと批判が集中したのだ。
この誤解を生んだ背景には、「グレーゾーン解消制度」の存在が周知されたかったことがあった。
●そもそも「電動アシスト付きベビーカー」ってどんなもの?
ベビーカーといえば、普通の人が認識しているのは、赤ちゃんを乗せて母親が押しているものだ。最近では、電動アシストの付いたベビーカーも登場してきているが、見たことがない人のほうが多いだろう。
今回、問題になったのは、実は、通常のベビーカーではない。
保育園などが、まだよく歩けない子どもを複数人乗せて、公園などに連れて行くときに使用する荷車のようなベビーカーなのだ。
大きさも通常のベビーカーより大きく、複数の子供を同時に運べるもので、保育士も付きそって移動する。
このベビーカーが、車道を通らないといけないと誤解されれば、危なくないわけがないので批判が起こるのも当たり前だ。
しかし、実際は、こうした複数人用のベビーカーに電動アシスト機能を追加した製品についての問い合わせだったのだ。
●誤解を生んだ「グレーゾーン解消制度」とは?
今回の発表を見て、大多数の人が「すべての電動アシスト付きベビーカーは軽車両」と思ってしまったわけだが、これが「誤解」だった。
もともとこの発表は、経済産業省の「グレーゾーン解消制度」の活用実績として出されたものだ。
ここで問題なのは、「グレーゾーン解消制度」って何だ?
ということだ。
「グレーゾーン解消制度」って、
・初めて聞いた
・聞いたことがない
という人も多いだろう。
グレーゾーン解消制度とは、
企業が新事業を計画した際、その内容が法律の規制に抵触するかどうか、不明確な場合がある。
その際、あらかじめ規制の適用の有無を照会(確認)できる制度なのだ。
まさに法律上で、グレーゾーンな問題や規制を、事前に確認し、不明点を解消してくれる制度なのである。
今回の発表は、
ある事業者からの、このベビーカーは道交法ではどう取り扱われるのかという照会に対しての答えであって、すべての電動アシスト付きベビーカーについてではなかったのだ。
確かによく読めば「照会のあった電動アシスト付ベビーカーは」となっているし、そのあとも「当該電動アシスト付きベビーカー」と表記されている。
●以前には「小児用の車」という発表も
経済産業省は、電動アシスト付きベビーカーについて、2015年に、同じくグレーゾーン解消制度を利用した別の業者からの照会についての回答で、条件を明記した状態で「小児用の車」に該当するという発表もしている。
「小児用の車」は歩行者と見なされるので、当然歩道を通行できる。
同じ「電動アシスト付きベビーカー」ではあるが、判断が分かれているが、これは、どちらも、特定のある製品についての見解が述べられているだけで、どちらが正しいということではない。
もちろん、今回問題になったのと同じスペックの電動アシスト付きベビーカーを発売した場合は、「軽車両」扱いになるので、車道を通行しなくてはならなくなる。
当然、業者は、それでは困るので、製品仕様の変更などを検討するだろう。
今回の騒動は、「グレーゾーン解消制度」について、経済産業省からの周知、メディアから説明、国民の認識、いずれかが十分にあれば起こらなかっただろう。
今回の問題で、ネット社会の現在では、以前にも増して、正確な情報の発信、周知の必要性を再認識できたのではないだろうか。