葉加瀬太郎のコンサートツアー【日医工 presents 〜 葉加瀬太郎 コンサートツアー 2017 「VIOLINISM ?」supported by Iwatani】が14日、東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールにて幕を開けた。

葉加瀬太郎 ツアー写真(全4枚)

 8月2日に発売されたニューアルバム『VIOLINISM ?』を携えて行なわれる今回のツアー。メンバーは天野清継(ギター)、榊原大(ピアノ)、柏木広樹(チェロ)、西嶋徹(コントラバス)、そして葉加瀬太郎(ヴァイオリン)。2002年にリリースされた『VIOLINISM ?』以来15年ぶりに、今作のレコーディング・メンバーで、コンサート・ツアーも行われる。それぞれが円熟の域に達した葉加瀬と4人の旧友との再会が注目されるところだ。

 そんな名手5人が一同に集まり、同じくHATSレーベルの盟友、鳥山雄司プロデュースのもと合宿で練り上げレコーディングされた渾身のサウンドを、今度はコンサートでエンタテインメントとして再構築。

 そこで一役買っているのが映画監督であり演出家の堤幸彦。葉加瀬太郎のアイデアをもとに北イタリアの架空の街、クレルモンナーラを想定し、オープニングで上映する映像を制作した。メンバー全員のキャラクターもそこで設定され、これまた念入りに作られた舞台セットに映像そのままの姿で登場する。そして、ステージにおける演劇性をさらに高めていたのがパーカッション奏者である仙道さおり。今回、タップやパントマイムを演じる舞台女優としても活躍した彼女の存在は大きい。
 
 コンサートはフォーレの「ドリーの子守唄」とショパンの「華麗なる大円舞曲」、ニューアルバムの冒頭を飾るこの2曲でスタート。さすがアコースティック楽器の名手たち。楽器から出る音が芳醇な響きを持っている。葉加瀬の軽快なMCを挟みながらコンサートは進行し、ラヴェル、ラフマニノフ、ブラームスらの楽曲、葉加瀬のオリジナルなどニューアルバム『VIOLINISM ?』からの曲を次々に披露して第1部を終了。
 
 第2部は、全員がステージ前面に腰掛け、さらにアンプラグドな雰囲気でスタート。葉加瀬のヴァイオリン、メンバーのフィドル、マンドリン、ピアニカ、グロッケン、ウクレレ、そして仙道のカホンも加わり、アットホームな雰囲気で「おおスザンナ〜ひまわり」、さらに9月13日にHATSレーベルより発売されたばかりの仙道さおりのニュー・アルバム『Saoli’s Recipe』から「Road of Happiness」を披露。 

 そして舞台が元に戻り、同じく9月13日に発売されたばかりの柏木広樹のニュー・アルバム『TODAY for TOMORROW』から「Reminiscence」が演奏される。仙道も柏木も、さすが同じレーベル・メイトのサウンドだ。
 
 今回インターミッション的に挟み込まれる映像タイムも程よいアクセントになっていた。中でも葉加瀬出演の「ふれあい散歩道」が等身大の葉加瀬太郎を垣間見れるようで良い味を出していた。
 
 コンサートも終盤になり、いよいよこの日のクライマックスへ差し掛かる。軽快に盛り上がるニューアルバムからの「アナザー・デイ・オブ・サン」、そして最後はやはりこの曲「情熱大陸」。恒例、メンバー全員のソロ回しはコンサートのハイライトでもある。客席には新しいコンサート・グッズ、“ハカシェイカー” やニュー・タイプの “ハカセンス” も普及し、大いに盛り上がっていた。

 さらにこの曲の中盤ではメンバー全員によるスネアのマーチングという見せ場が会場をさらにヒートアップさせる。この曲「情熱大陸」では、毎年いろいろな趣向が凝らされた展開が話題となるが、今年の演出もなかなか凄い。
 
 メンバー全員の高い演奏能力でじっくり聴かせる要素はもちろん、お祭りとして楽しめることにもこだわったコンサート。たとえクラシック音楽に詳しくなくても、だれもがポピュラー音楽という共通の領域で楽しめる。これが葉加瀬太郎の音楽だ。コンサートのエンディングで思い切り騒いだあと、アンコールはニュー・アルバムに収録された美しいメロディの「ドリーム」。この曲を聴いて、穏やかな余韻で帰路につく。やっぱり音楽っていいな、と納得出来る贅沢な時間であった。

 全国50公演にもおよぶこのツアー、葉加瀬太郎は年末まで全力で駆け抜ける。


◎ツアー情報
【日医工 presents 葉加瀬太郎コンサートツアー2017
「VIOLINISM III」supported by Iwatani】 
http://www.so-nice.jp/concert/tour201709/