仏シャンパーニュ地方にあるランス大学で、グラスに入ったシャンパンを観察するジェラール・リジェべレール教授(2017年7月10日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】20度の温度で保存したシャンパンの瓶をポンと開けると、氷よりも冷たく、空のように青い「ミニチュア雲」が放出されるという研究結果が14日、発表された。ただし通常、シャンパンの20度での保存は推奨されない。

 英オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に掲載された論文によると、超ハイスピードカメラを使用した今回の研究は、これまで一度も確認されたことのない現象の仕組みを解明したという。

 論文の共同執筆者で、仏シャンパーニュ(Champagne)地方にあるランス大学(University of Reims)でさまざまな種類の泡を研究しているジェラール・リジェべレール(Gerard Liger-Belair)教授は、20度で瓶を開けると「青みがかった雲が生じる現象が観察された。これはまったくの予想外だった」と話す。

 6度から12度に冷却された瓶詰めのシャンパンは、開けると瓶の口から灰白色の煙が放出される。これはよく知られた現象で、高圧状態の瓶の内部から、ガスが外にあふれ出る際に膨張することで発生する。

 断熱膨張として知られるこのプロセスが起きると、ガスは温度が急激に下がって凝結し、シャンパン好きにはおなじみの白い煙を形成する。

■青空と同じ原理

 おいしくシャンパンを飲むために推奨されている温度は8〜10度だが、瓶の温度が20度のときには奇妙な現象が起きることを研究チームは発見した。よく見る白い煙ではなく、つかの間に消える青い煙が発生するのだ。

 研究チームは、コルクを外した直後の1000分の1秒間を観察するために、最高で毎秒1万2000コマを撮影できるカメラを使用した。

 リジェべレール教授は、AFPの取材に「20度の瓶は圧力が非常に高い状態(大気圧の8倍程度)になっているため、外に逃げるガスの温度が断熱膨張により、マイナス90度の極低温にまで急激に下がる」と語る。これは二酸化炭素(CO2)の凝固点より低い温度だ。

「CO2がドライアイスの微粒子になり、これが周囲の光を反射することで、青みがかった雲ができる」と、リジェべレール教授は説明する。「この青い雲は、空の青色と物理的成因が同じだ」

 地球の空が青いのは、大気中の微小な分子が、波長が短く周波数が高い青い光を他の色より強く散乱するからだ。シャンパンの青い霧は、1000分の2〜3秒ほどで消えてしまうため肉眼では確認できない。

 今回の発見は、シャンパンの製造法や楽しみ方に何ら影響を与えるものではないと、リジェべレール教授は述べている。「これは単に身近な製品を使ってできるすてきな物理実験の一つにすぎない。シャンパンの瓶を開ける間の1000分の数秒間に、このような極限状態が観察されるなんて誰も思いも寄らないだろう」
【翻訳編集】AFPBB News