ワークスチューニングというグループの存在をご存じでしょうか。ここでいうワークスとはメーカー直系のレース活動を意味しています。そうしたレース活動でのノウハウをストリート用チューニングアイテムにフィードバックしているのがワークスチューニング・グループ、具体的にはTRD(トヨタ)、NISMO(日産)、無限(ホンダ)、STI(スバル)の4社です。

今回、そのワークスチューニンググループが合同で試乗会を行ないました。各社自慢のデモカーを持ち込んだのは「日本のニュルブルクリンク」とも呼ばれる群馬サイクルスポーツセンター(「群サイ」の愛称でも知られています)。荒れた路面とアップダウンの激しいコーナーの続くタイトなワインディングを模したコースで、その実力をアピールしようというわけです。

その会場で待っていたのは、ド迫力のボディパーツを備えたトヨタのミニバン軍団。TRDのドレスアップパーツやサスペンションなどを与えられたエスクァイア、ノア、ヴォクシーの5台が並べられていました。

基本的には兄弟車ですから、機能性でいえば、どのクルマに乗っても同じわけですが、今回チョイスしたのはエスクァイア。前後のスポイラーやフロントグリル、サイドスカートなど上品でスポーティなエアロパーツがエスクァイアを、ワンランク上のミニバンに仕上げているのが印象的です。

さて、せっかくの群サイですから気になるのは走りのレベルアップ。エスクァイアのチューニングは、ドアスタビライザー&ブレースセットと純正形状のTRDスポルティーボサスペンション、そしてオリジナルホイールにグッドイヤーのイーグルRV-F(205/50R17)を履いているといった内容になっています。

まず、注目はドアスタビライザー&ブレースセットでしょう。もともとボディ剛性には関係のないドアですが、ストライカー部にスライド式のパーツを入れることで隙間を埋め、ボディのねじりなどに対して、ドアを剛性アップの補強として利用するのがドアスタビライザーの役割です。このパーツが有効なのは知られているところですが、スライドドアのミニバンでは効果が出づらい面もあるそうです。そこで、フロントドアにはドアスタビライザーを装着する一方、スライドドアの剛性アップにつながるブレース(スチール製の補強パーツ)をセット装着することでボディ全体を引き締めることが期待できるのです。

その効果は群サイという厳しいコースだからこそ、はっきりと伝わってきます。横Gの続く長いコーナリングや左右に切り返すようなシチュエーションにおいてミニバンとは思えない安心感があります。サスペンションによってロール剛性も高まっているので、車高ダウン以上に重心高を下げたかのような錯覚に陥るほど、走りは別物です。

ただし、ペースアップしていくとダンパーの容量不足なのか跳ねるような動きが出てきます。日常的な速度域での乗り心地を重視(群サイでも快適性に不満は感じないほど)したサスペンションなので両立は難しいのかもしれませんが、スポーティ方向の味付けもレベルアップしていると満足度はさらに上がりそう。もっとも、おそらくほとんどのワインディングでは制限速度オーバーの領域での話ですけれども。

(写真・文:山本晋也)

【ワークスチューニング試乗会】トヨタ・ミニバン軍団の走りをグッと引き締めるTRDのチューニングメニュー(http://clicccar.com/2017/09/15/509807/)