■車両小型化と利便性向上で存続図る

 静岡市は中山間地域の清水区両河内地区で民間事業者に委託して運行しているバス事業について、3系統のうち2系統の委託先を来年4月から地元のNPO法人に切り替える。

 同地区の人口減少に伴う利用客の減少で、バスを運行するしずてつジャストラインが数年前から撤退を打診。NPO法人では現在の29人乗り中型バスを10人乗りの普通乗用車に切り替えてコストを削減する一方、住民が必要な時にバスを走らせる予約便を加えるなどして利便性を高め、地域の足となる同路線の存続を図る。

 ◆民間事業者が撤退

 NPO法人が運行を引き継ぐのは「大平系統」と「板井沢系統」の2系統で、ルートの一部を変更するなどして3系統とする方針。もう1つの「宍原系統」は引き続きしずてつが運行を継続する。

 同路線はもともとしずてつが独自運行していたが、利用者の減少で赤字が膨らみ、平成21年度から市が経費を負担する形での委託運行に変更。その後も利用者は減り続け、21年に1便当たり平均4・1人だった利用者数は現在では平均0・8人にまで落ち込んでいる。

 しずてつは運転手の人手不足などから市に撤退を打診しており、市では地元住民らと協議の上で、地元有志が今年6月に立ち上げたNPO法人「清流の里両河内」にバスの運行を委ねることにした。

 ◆赤字1000万円圧縮へ

 新たに委託先となるNPO法人では、車両の小型化などで経費を浮かせる一方、これまで道が狭いなどの理由でバスが入ってこなかった場所にも停留所を設置して利便性を高め、利用者増を図る。利用者が減る昼間は事前連絡に応じて車両を運行する「デマンド」方式に切り替え、コストカットと利便性の向上を同時に目指す方針だ。

 市は今年度の一般会計9月補正予算案に車両の購入費や運転手の習熟訓練費などとして約2900万円を計上。NPO法人が引き継ぐ2系統の昨年度の赤字3700万円を「市民の活躍によって1千万円程度圧縮したい」としている。