大原美術館(倉敷市中央)の若手芸術家支援・育成事業「ARKO2017」の招待画家、水野里奈さん(27)=愛知県=が倉敷市内に滞在して制作した作品が完成し、同美術館で公開が始まった。

 岡山の風土などにインスピレーションを得た大作が入館者を魅了。17日には同館で水野さんのトーク会も開かれる。

 作品はFサイズ120号キャンバス4枚の油彩画「From now on」(縦194センチ、横521センチ)をはじめ、新見市の鍾乳洞「満奇洞」など各地に題材を求めた油彩画、ボールペン画など計16点。

 メーンは伝統文化や変化に富んだ自然、動と静の混然一体を感じさせる大作。神庭の滝(真庭市)を思わせる奔流の水墨画風の迫力、生成りのキャンバス上の鮮やかな色彩世界などが視線をひきつける。水野さんは「これだけのスケールで表現した経験がなく、描きながら構図を決めた。わくわくする気持ちと不安の中で思いをぶつけた」などと話していた。

 ARKO(アーティスト・イン・レジデンス・クラシキ・オオハラ)は同美術館が「倉敷からの発信」などを柱として平成17年から継続している事業。

 毎年、希望者の中から有望な若手芸術家を招き、大原美術館のコレクションの礎を築いた洋画家、児島虎次郎の旧アトリエ「無為村荘」(倉敷市酒津)で夏季約3カ月間、制作に集中できる環境を提供している。

 水野さんは、名古屋芸術大美術学部、多摩美術大大学院で油彩画を学び、平成27年には日本の若手画家の登竜門とされるVOCA展で奨励賞を受賞。江戸期の画家、伊藤若冲(じゃくちゅう)の筆遣いや、中東の細密画などの要素に影響を受けたという作風が注目されている。

 トーク会は17日午前11時から。会期は11月19日まで。月曜休館。入館料は一般1300円、大学生800円、高校、小・中学生500円。問い合わせは同美術館(086・422・0005)。