この数日間、海外メディアでは「iPhone」の新モデルの話題で持ち切りだ。

 すでに、ご存じの方も多いと思うが、米アップルは9月12日(現地時間)、「iPhone 8」「同Plus」と、発売10周年記念モデルとなる「iPhone X(テン)」を発表した。

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「スマートフォンの未来」を市場投入

 これらはいずれも、新たにワイヤレス充電機能を備え、カメラやプロセッサーの性能を向上させている。このうち、iPhone Xは、3年ぶりにデザインを大幅刷新したモデルで、ディスプレーが本体全面を覆うデザインを初めて採用した。

 iPhone Xでは、これに加え、ホームボタンを廃止。これまであった指紋認証機能「Touch ID」も廃止し、新たに顔認証機能「Face ID」を搭載した。

 アップルがその発表イベントで「スマートフォンの未来」と紹介したiPhone Xは、まさに未来を感じさせる高性能機器。しかし、アップルは、本当にこれらの新モデルで、かつてのような成長を再び実現できるのだろうかと、懐疑的な意見も聞かれる。

iPhone、中国市場でシェア低下

 iPhoneの昨年(2016年)1年間の販売台数は、2億1500万台だったが、これは、その前年の2億3150万台を下回っている。四半期ベースで見ると、iPhoneは昨年7〜9月時点で3四半期連続の前年割れとなった。同年10〜12月期は同5%増に回復したものの、今年は、1〜3月期が同1%減、4〜6月期が同1.6%増と、ほぼ横ばいで推移している状況だ。

 そうした中、iPhoneの成長を回復させるカギを握るのは、世界最大のスマートフォン市場である中国と言われているが、アップルはここ最近、同国市場で苦戦している。

 米IDCによると、2015年の中国市場におけるスマートフォン出荷台数上位5社は、中国シャオミ(小米科技)、中国ファーウェイ(華為技術)、アップル、中国オウポ(広東欧珀移動通信、OPPO Mobile Telecommunications)、中国ビーボ(維沃移動通信、vivo Mobile Communication)の順だった。

 しかしこれが、2016年は、オウポ、ファーウェイ、ビーボ、アップル、シャオミの順となり、アップルは4位に後退した。

(参考・関連記事)「世界最大のスマホ市場、中国でまたも勢力図に変化」

 また米ウォールストリート・ジャーナルが引用した、英市場調査会社カナリスのデータによると、2014年末時点で16.5%あったiPhoneの中国におけるシェアは、7%にまで低下している。

 2014年末と言えば、同社が「iPhone 6」シリーズで初めてiPhoneを大型化し、デザインを大幅刷新した時期だ。しかし、その後同社が市場投入したiPhoneはいずれも、デザインに大きな変更がなかった。これが中国で販売が落ち込んだ要因と言われている。

iPhone Xの価格は高すぎる?

 新たに市場投入するiPhone Xは、前述したとおり、デザインを大幅刷新し、最新機能もふんだんに盛り込んだ。しかし、その成否は、中国の消費者が、iPhone Xの価格をどう捉えるのかにかかっていると、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 例えば同国におけるiPhone Xの価格は、8388元(1300ドル)で、米国における価格よりも約300ドル高い。100ドルほどでスマートフォンが買える同国では、iPhone 8(5888元)や同Plus(6688元)も、多くの人々の手に届かない価格だと、同紙は伝えている。

筆者:小久保 重信