異なる人種の人たちを写真に撮り、それぞれの美しさを伝えられる本を出版したい、というChesterfield Hectorさん。正直に言ってしまえば、多様性を表現するために写真を撮ったり、作品をつくるアーティストは数多くいます。

それでも彼に注目したいのは、「何を撮るのか」ではなく「なぜ撮るのか」が多くの人の心を動かすから。彼の場合、その原動力は母親の死。

亡くなった母の「誇り」でありたい

フォトグラファーとしての始まりは、彼の生い立ちに関係しています。家族のみんなが違う肌の色をしていたことから、彼は人と違うことを個性として受け入れることができていたようです。また、その肌に「美」を見出していたのも事実。

それぞれの人が持つ、固有の美しさを伝えようという考えを行動に移したのは2012年のこと。しかし、「想像以上の苦労に耐えきれなくて中途半端になってしまった」、と振り返るChesterfieldさん。

そんな心の葛藤にピリオドをうつ出来事が。最愛の母の死でした。

Chesterfieldさんの母が亡くなったのは2016年8月。予想もしていなかった突然の死に、自暴自棄になったそうです。明けても暮れても頭に思い浮かぶのは、母のことばかり。

悲しみにくれる日々を過ごしていくうちに、彼の心の中に「お母さんなら夢を追うことを応援してくれる」という想いが。

人生は短い。
今やりたいことが将来できるとは限らない。
時間を無駄にしている暇はない。

Chesterfieldさんは、持てる限りの力をプロジェクトに注ぎ込むことを決意しました。全ては天国にいる母に自分のことを誇りに思ってもらうために──。

母親の死から約1年。Chesterfieldさんは、すでに34ヶ国の“肌色”を撮影しているそうです。

Licensed material used with permission by Chesterfield Hector