「なに、この人、初対面で失礼だな……」と思われているかもしれません(写真 : xiangtao / PIXTA)

みなさん、こんにちは! アナウンサーの魚住りえです。
このたび、東洋経済新報社より『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』を出版いたしました。
前著『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』は本当に多くの方に手に取っていただき、おかげさまで15万部を超えるベストセラーとなりました。みなさまに深くお礼を申し上げます。
第2弾となる今回は、コミュニケーションをとるうえで、「話し方」以上に大切な「聞き方」について書きました。早速、5万部を超えるヒットとなり、多くのみなさまに読んでいただけていることを、心からうれしく思います。
本記事では「初対面で失敗しがちな質問」よくある5つのNGを紹介します。

知らないうちに「失礼な質問」をしていませんか?


初対面の人と話すときは、「どんな話を切り出せばいいか」と悩んでしまうことってよくありますよね。

「何か話さなくては」とあれこれ考えて話した結果、「墓穴」を掘ってしまい、知らないうちに「相手のイヤなこと」や「触れてもらいたくないこと」をつい質問してしまった、という失敗談も少なくないと思います。

たとえば、女性に対して「何歳ですか?」と直接質問する人は少なくても、「年齢がわかるような遠回しな質問」をして、「探りを入れているな」と相手に勘づかれて不愉快に思われるケースは意外に多いものです。

「初対面で聞いていいこと、よくないこと」の両方があります。そこを間違えて「地雷」を踏んでしまうと、「なに、この人、初対面で失礼だな……」と嫌われる原因になりかねません。

では、嫌われる人がやりがちな「初対面でのNG質問」とは何なのか。ここでは、主な5つのNGを紹介します。

まず、「初対面の質問」でよく失敗しがちなのは、相手の「容姿」にまつわる質問をすることです。

「背が高い」ことは長所とは限らない

【1】「容姿」にまつわる質問をする

「とても背が高いんですね。190cmは超えているように見えますが」
「ええ……まあそんな感じですね」
「すごいですね! 目立つから待ち合わせでも困らないんじゃないですか?」

スタイルが良かったり、服装の着こなしが上手だったりなど、パッと見たときの印象がいいと「ステキですね!」と、そのことについて話すことってありますよね。

このようなきっかけで話すことは、初対面の場合はありがちなパターンですが、「容姿」にちなんだ話をするのは、場合によっては注意が必要です。

自分ではほめたつもりで言ったことでも、相手がとてもコンプレックスに感じているところかもしれないからです。

背が高い人は「人より目立ってイヤ」、太っている人は「痩せたいけどなかなか痩せられない」というように悩んでいるかもしれません。

「恰幅が良いですよね」と褒めたつもりが、「やっぱり太っているように見えるんだ……」とマイナスに受け止められることもあります。

初対面ほど「慎重さ」が重要になります。相手の「容姿」にちなんだ話は、初対面では極力避けたほうが無難でしょう。

【2】遠回しに「年齢」について質問する

「学生のころ、●●の曲とか、流行っていましたよね」
「その曲が流行ったころは、もう社会人だったと思います」
「えっ、僕と同世代かと思っていたんですが……」

自分の感覚で年齢を判断してしまい、「年齢を言ったら実際はもっと上だった」……けっこうある失敗談ですよね。

もちろん、初対面の人に対して「いくつですか?」とストレートに聞く人は、それほど多くないと思います。

でも、遠回しに、相手の年齢がわかるような質問をして、探りを入れる人は案外います。

そういう場合、「この人、探りを入れているな」というのは、たいてい相手に伝わるものです。それが気にならない人もいますが、特に相手が女性の場合、「不快な思いをさせる」ことも少なくありません。

仲良くなったあとに質問することはあっても、「初対面では、年齢を探るような質問は基本、NG」と考えておくほうがいいと思います。

もうひとつ、よくあるNG質問が、「子ども」についての話題です。

「既婚=子どもがいる」ではない

【3】「子どものこと」を話題にしてくる

「うちの子どもは3歳の女の子なんですが、僕にお母さんの真似をして話してくるんですよ。それに、僕が怒っても全然言うことを聞かないんです。どう思います?」
「……すみません。私、子どもがいないので、よくわからなくて……」

子どもの話になると、「ちょっとした自慢話」や「言うことを聞かない愚痴話」など、どんどん話が出てしまう。さらに相手も既婚者とわかると、「子どもがいるか、どんな子どもか」をつい聞いてしまいたくなる……。

お子さんをお持ちの方だと、少なからずあるのではないでしょうか。

相手にお子さんがいる場合は問題ないと思いますが、既婚者でも「子どもをもてない事情がある」「不妊治療をしている」などで「子どもが欲しいけどいない」場合は、イヤな思いをさせてしまいます。

それに、なかには「子どもがあまり好きではない」という大人もいるかもしれません。

初対面の人との話題では、子どもの話は控えめにしたほうがいいでしょう。

【4】「住まい・住所」を聞いてくる

「(名刺を見て)会社は日本橋なんですね。ちなみに、お住いはどの辺りなんですか?」
「今日は山手線でいらっしゃったのですか。ご自宅はどの辺りなんですか?」

初対面の人と話すとき、「よく利用する路線や駅」などの話だと、そこから雑談が広がっていけそうですよね。

でも、特に男性から女性へ、「どこに住んでいるんですか?」というような住まいや住所に関する質問をしてしまうと、いっきに警戒心を持たれてしまいます

気にならない人もいるかもしれませんが、女性にとっては「急にプライベートに踏み込まれた」という、好ましくない印象のほうがほとんどです。

直接的な質問は避けて、「お休みの日は家でどんなふうに過ごされるんですか」などのように、質問の仕方を工夫してみましょう。

最後に、よくあるNG質問が「政治・宗教」について聞いてくることです。

「初対面の悪印象」は払拭するのに1年かかる

【5】「政治・宗教」について質問する

「最近、●●党の話がニュースになっていましたよね。新聞にも書いていましたが、ホントにひどい話ですよね」
「……私の知り合いが、その党にかかわっているので、あまり……」

ニュースになっている話題を「世間一般の話」で出したいときもありますが、「政治・宗教」についての話題には、かなり注意が必要です。

自分では「単に政治の悪口を言った」つもりでも、相手も同じ考えをしているとは限りません

政治や宗教には「さまざまな思想・考え」があり、「非常にデリケートな話題」だと私は思います。「初対面での質問」としては、自分からは話を切り出さないほうがいいと思います。

【「初対面で失敗しがちな質問」5つのNG】
・「容姿」にまつわる質問をする
・遠回しに「年齢」について質問する
・「子どものこと」を話題にしてくる
・「住まい・住所」を聞いてくる
・「政治・宗教」について質問する

以上、「初対面で失敗しがちな質問」を挙げてみました。


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初対面なので、「相手のことを知りたい」という気持ちからいろいろ聞き出そうとしがちですが、「初対面だからこそ、聞く内容には特に気をつける」ことが大切です。

初対面で「なんとなくよくない印象」を持たれてしまう、それを払拭するのには「10回以上会うこと」と「1年の時間」が必要、という説もあります。

聞く前に、「相手はどう思うか」ということを心がけていけば、相手との会話を楽しめることができます。

初対面を制する人は、人間関係を制する――。ぜひ「上手な質問力」を身に付け、初対面で「好印象」を勝ち取る人になってくださいね。