自分の子どもを育ててみて親の苦労を初めて知ったという方が多い一方で、「うちの親の子育て、ちょっと普通じゃなかったのかも」と、気付く人も少なくありません。今回のメルマガ『イイ妻、イイ嫁、なんてクソくらえ!谷亜由未の「ママであることをキャリアにしてシンデレラになる魔法♪」』では、コーチングをベースにした独自の子育て講座を確立された谷亜由未さんが、「毒親に育てられた人のための子育て術」をレクチャーしています。

こんな「毒親」が子どもたちを苦しめている

毒親って聞いたことありますか?

なんだかおどろおどろしい言葉ですが・・・

コトバンクによると、毒親とは

子どもを自分の支配下に置き、その人生に有害な影響を与える親を指す俗語。

米国の精神医学者スーザン・フォワードによる書籍『毒になる親』から派生した造語で、同書の邦訳版が1999年に出版されて以降、広く知られるようになった。

子どもへの暴力的・性的な虐待や育児放棄だけでなく、精神的な虐待や過度な干渉も毒親の特徴とされる。

毒親による歪んだ親子関係は子どもに深刻な心的外傷を与え、その影響で成人後も対人関係に問題を抱えたり、依存症に陥ったりして苦しむケースも少なくない。

実は知らないだけで、毒親に育てられて苦しんでいる大人たちが今の社会にはたくさんいるのです。

親の育て方が子どもに影響を与えることは、誰でも多少なりともわかっていることだとは思いますが、実際にはその影響は、考えているよりずっとずっと大きいのです。

私の会社、プレシャス・マミーの講座(子育てコーチング)では、親の言葉がけが子どもの人生を決めている、と説明しています。

そのくらい、親の子どもへの接し方、言葉のかけ方には強い力があるのに、それを知って育てている人はまだまだほんの一握りです。

ですから、暴力的・性的な虐待や育児放棄の場合は別として、自らが毒親であることに気づいている親も、毒親に育てられたと自覚している人も、おそらくほんの一握りでしょう。

そもそもその毒親(精神的な虐待や過度な干渉)と言われる人たちは、まるで悪いことをしている意識はなく、我が子を思って、我が子をちゃんと、正しく良い子に育てようと思うからこそ、そのような接し方をしている場合も多いのです。

その「ちゃんと、正しく良い子」がクセモノなのですが。

また、育てられ方、育て方はそのまま伝わっていきますので、自分が育てられた時にそのようにされたから当たり前にそうする、あるいは、自分が育てられる過程で満たされなかった想いが心の奥底にずっとずっと残っていて、無意識にそれを満たすような育て方、子どもとの関わりを持ってしまう、という状況です。

つまりは、大人になりきれていない、真の意味で自立(精神的自立)ができていない人が子育てをすると毒親になりやすい、ということなのです。

では、毒親に育てられた人にはどんな特徴があるのでしょうか?

ここでは3つの例をご紹介します。

洋服、持ち物、といったささいなことから、進路、恋愛、結婚に至るまで、親が気に入るかどうか、を基準に選んでしまう子育てに対して異様にイライラする。言うことをきかない子どもに腹が立って仕方がない自分がやりたいこと、好きなこと、ワクワクすることが何なのか、よくわからない

1. については毒親の影響としてわかりやすいですね。

2. はなぜそうなのかというと、親の過干渉や支配のもとに生きてきた人は、自由に自分を表現すること、自由に行動することを我慢してきたので、それを堂々とやっている自由奔放な子どもの言動が腹立たしくて仕方がないのです。

3. は1. と関係していますが、常に親から与えられたもの、親が許可したものだけを選択してきているうちに、自分の心が純粋に欲しがっているもの、喜ぶことがわからなくなってしまっている、ということです。

私のところの受講生さんにも、毒親に育てられたママがいます。

それもずっとそのことに気づかずに、子育てがつらい、なんだか生きづらい・・・そんな思いから受講してくれたママでした。

彼女のお母様は仕事がとてもできて、家事もしっかりこなし、彼女のお兄さんの友達大勢が家に頻繁に遊びに来たときも、面倒見よく上手にもてなす、とても完璧なお母様でした。

その彼女は

「女も結婚後も自分で生活していけるように手に職をつけておくべき。そのために勉強して収入になる資格を取っておきなさい。」

とずっと言われ続け、勉強好きだったこともあって、大学を出てからも大学院へ進み、次々とさまざまな資格を取るために学び続けました。

「30歳までには結婚して子どもを産んでおくべき」

ということも刷り込まれ、30歳が近づいた時に特に疑問を感じることなく、結婚を決めます。

しかしその後職場でのセクハラや、思い通りにならない子育てに悩み、うつに近い、引きこもり状態になりました。

そんな時、プレシャス・マミーの講座を見つけ、受講してくれたのです。

それから子育てや自分の心に関するいろいろな情報を得て学ぶうちに、母親が毒親だったことに気づきました。

小さいころから「ちゃんとしなさい」「泣くんじゃない」「そんなものではなくて、これにしなさい」と自分の好きなものや感情をとにかく押し殺してずっと親の言う通りに過ごしてきた自分に気づいたのです。

それから彼女は過去の小さかった自分の感情を思い出し、その思いを癒し、本当の自分に気づく作業を徹底的にやりました。

そうするうちに、自分の心が本当に望んでいることに気づきはじめ、それを実行に移し始めると、本人だけでなく子どもたちもイキイキとしはじめ、夫婦の関係もどんどんよくなってきました。

外見もがらりと変わり、今は自分のやりたいことを大いに楽しんでいます。

ここでコーチングの理念をお伝えします。

人は皆、無限の可能性を持っている答えはその人の中にある答えを見つけるにはパートナーが必要

毒親の子育てはこの理念とは真逆で、子どもの可能性を信じることなく、親が答えを与え、親の権力によって子どもを支配しています。

もしもあなたが毒親に育てられたのかも?と思い当たる節があるなら、以下のことを心がけ、実践してください。

1. 我が子に無限の可能性があると信じる

親の思い、期待通りに子どもを育てることが親の役割ではありません。

子どもの可能性を最大限に引き出し生かすことが親の役割です。

またその可能性は、世間の評価や親の価値基準と必ずしも同じではありません。

今世間にないものを生み出す人が、新しい未来を切り開く人です。

そして新しい時代に生まれてきた魂には、親を超える可能性があるはずなのです。

2. 答えは子どもの中にある、というスタンスで接し、子どもの答えを見つけるパートナーになる

常に「どうするべき」を指示命令するではなく、子どもが「どうしたい」のかを問いかけます。

子どもがやりたいこと、好きなもの、好きなこと、子どもの選択を命の危険や人様に大迷惑をかける場合を除いて、できる限り尊重してください。

やってはいけないことをしようとしたときは、「どうしてそれをやりたいの?」「それをやるとどうなると思う?」と問いかけ、その答えを待ってから、やってはいけない理由を説明します。

ただ「ダメ!」というだけでは、何がダメなのか、なぜダメなのか、子どもには理解できません。

また子どもの「やりたい」という気持ちを頭から否定することになるので、それが繰り返されれば「やりたいことはやってはいけないんだ」という思い込みが作られてしまうか、反抗的になるかのどちらかです。

そして「正しく良い子」にちゃんと育て「イイ母」にならなければ、という思いが強すぎて、子どもに指示命令や禁止ばかりしていると、その子は自分らしさがわからず、大人になっても人生を楽しむことが出来なくなってしまいます。

ここで、子どもの可能性を引き出すよきパートナーになるために使ってはいけない毒言葉をあげておきます。

「も〜、だめね〜」

「なにやってるの!ほんとに××なんだから」

「いえいえ、うちの子なんて・・・」(人前で謙遜する)

「そんなこと無理(無駄)よ。やめておきなさい」

「うまくいくわけがない」

「あなたにできるはずがない」

「夢みたいなこといってるんじゃない」

こんなことを言われたら、子どもだって傷つきますよね。

3. 自分自身の人生に目覚める

親の思い通りにしなければならない、親を悲しませてはならない、という考えを手放してください。

とても勇気がいることだとは思いますが、あなたが本当に自分らしくイキイキと人生を送るために、必要なことなのです。

親と自分は違う人格であり、親の人生を生きるのがあなたの役目ではありません。

あなたならではの人生を謳歌することが、今世あなたに与えられた最大のお役目であり、神様の願いなのです。

子育て、育児を変えるには、小手先の技術だけ学んでも長続きしません。

まずはあなたの心を癒し、整えることが最も大切で効果的です。

小さかったころのあなたの心の寂しさ、悲しみに気づき、それを癒してあげてくださいね。

感情がバロメーターです。あなたの心が喜ぶことをして、あなたの心を大切に生きましょう。

シンデレラになる魔法 その5

「ちゃんと正しく良い子」を育てる「イイ母」になることをやめ、子どもの気持ち、あなたの気持ちを大切にする。

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出典元:まぐまぐニュース!