気がついたら歯を噛み締めてている「食いしばり」。単なる噛み締めの癖だと思われるかもしれませんが侮ってはいけません。食いしばりはクレンチング症候群とも呼ばれており、様々な身体的不調をきたす悪癖として知られているのです。ここでは食いしばりが生じる原因やその影響について紹介しましょう。

食いしばりの原因はストレスだった!

よく勉強しているときや仕事に励んでいるときなどに食いしばりが起こるといいますが、それは精神的な緊張、ストレスに起因しているからです。精神的な緊張は交感神経を優位にさせ、口周囲の筋肉が硬くなり食いしばりを誘発させます。そして精神的なストレスを緩和、発散させるために食いしばりに及ぶこともあります。仕事や勉強のとき食いしばりが起こっている人は、集中するために神経を緊張させ、それに伴うストレスに耐えている状態であるわけです。つまり身体のストレス状態が食いしばりという悪癖に繋がっているわけですね。

食いしばりで肩こりが起こる?!

本来歯は上下が直接接触しないようにできていて、接触しがちな食事の咀嚼時を含めても、1日に上下の歯が接触する時間は10分〜20分程度といわれています。しかし食いしばりをする人は数時間も上下の歯が接触、それも60kgもの力で歯を噛みしていることが多いようです。こうなると本来直接上下が接触するようにできていない周辺組織には様々な悪影響が生じてきます。具体的には歯がぐらぐらする、歯に亀裂が生じる、歯が欠損する、歯肉炎や歯槽膿漏といった歯周病にかかる、知覚過敏になる、顎関節症にかかる、側頭筋の緊張による頭痛が発生する、首や肩のこりが発生する、といったものです。

食いしばりを防ぐには

こういった悪影響を伴う食いしばりはできるだけ抑えたいもの。比較的症状が軽い方であれば、神経の緊張やストレスを伴うシーンに歯を食いしばらないよう意識したり、ガムをかむようにしたりすることで防ぐことも可能のようです。症状が強い場合は、歯の噛み締めの際の負担を分散させるマウスピースを歯科医院でつくってもらう方法があります。ちなみにマウスピースは保険適用で数千円程度でつくってもらえますよ。他にも歯の噛み締めを抑えるため、筋肉の緊張を抑える注射をうつ、といった治療法もあります。食いしばりに伴う悪影響は適切な治療を施せば改善できます。食いしばりがどうにも収まらないという方は一度歯科医院に相談してみたほうがいいかもしれません。


writer:サプリ編集部