“神戸VS任侠”の抗争がついに血で血を洗う緊張状態に突入した。12日午前10時ごろ、神戸市長田区の路上で、任侠山口組の織田絆誠代表(50)の護衛役とみられる関係者の男性(44)が射殺された。4発の銃弾のうち1発が眉間に命中していたという。警察庁は取り締まりや警戒強化を指示したが、両組の抗争激化は避けられそうもない。

「ゴラァ!」「撃たんかい!」

 白昼の路上にヤクザの怒声が響き、銃声がとどろいた。捜査関係者によると、死亡したのは神戸山口組から離脱して今年4月に結成された任侠山口組・織田代表の護衛役の男性だった。

 襲撃現場の神戸市長田区五番町3丁目は織田代表の自宅近くで、同代表が狙われたとみられる。

「織田代表が乗った車を含む3台の車列が、神戸山口組の車に衝突され、さらに車から降りてきて襲われた。両者は路上でもみ合い、護衛役の男性は神戸山口組の男に馬乗りになったようだ。『撃たんかい!』などと叫んだ後、神戸山口組の男から撃たれた。発砲は計4発だったとみられる。眉間と鎖骨頭に被弾して血を流して倒れ、死亡。織田代表は、護衛役らが逃がして命拾いした」(捜査関係者)

 本紙は事件直後の現場写真を入手。白いシャツに黒いスラックス姿の護衛役が、黒い車両の近くの路肩であおむけに倒れた生々しい姿が写っている。

 兵庫県警は、神戸山口組と任侠山口組の抗争によって起きた殺人事件と断定。約90人態勢の捜査本部を設置した。

 逃走したのは40〜50歳の男3人ほどとみられ、行方を追っている。現場に車を放置し、銃を持ったまま逃走。バイクに乗った男らがいたとの目撃情報もある。ヘルメットも残されていたことから、事件にバイクが使われた可能性も調べている。

 神戸山口組は2015年8月、山口組から分裂して結成された。その神戸山口組から織田代表らが離脱、今年4月に任侠団体山口組が誕生(8月に現在の組名に改称)。山口組を源流とする3つ目の組織となった。任侠山口組は4、8月に2度、異例の記者会見を開き、神戸山口組を痛烈に批判。挑発を繰り返してきた。

 その後に起きた射殺事件。15年8月の山口組の分裂後、兵庫で発砲事件で死者が出たのは初めてだ。

 伏線はあった。今年5月、神戸市中央区の路上で、神戸山口組直系山健組の幹部らが任侠山口組組員を暴行して重傷を負わせ、傷害容疑で逮捕される事件が起きている。

 別の捜査関係者は「山健組は神戸市中央区に本部を置くが、5月の事件当時、織田代表も山健組にほど近い中央区に住んでいた。この状態が続けば危険と判断した県警は『引っ越してください』と織田代表に要請。これを受け、織田代表は7月ごろ、中央区から南西にある長田区に移り住んだ」と語る。

 神戸山口組と任侠山口組の間に県警が介入し、“引き離し”にかかったわけだ。

「それでも神戸山口組は任侠山口組を潰そうとし続け、射殺事件という最悪の事態に発展した。にらみ合う両組の争いは、緊張感が一気に上昇。任侠山口組が報復に出る可能性がある。県警は警戒態勢を強化することになる」(前出関係者)

 本紙は、任侠山口組内の一部で出回っているという文書を入手。「命懸けで代表守るべく、相手を抑え込んだ」「(死亡した男性の)手柄なので、供養してあげてください 合掌」などと悲痛な叫びが記されていた。

 神戸の白昼の路上で放たれた凶弾は、神戸VS任侠の抗争がさらにヒートアップする“号砲”になりかねない事態となっている。